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察人姫-第壱話-

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壱ノ弐





 文武両道の保澄学園には三つのグラウンドがある。
 一つは野球場。観客席はないものの、屋根付きブルペンや照明、雨天練習スペース等、さすが強豪私立と言わざるを得ない設備である。
 もう一つはサッカー、ラグビー場。全面芝生であり、高校生にはもったいないほどの各種機材も完備されている。
 そして多目的グラウンド。体育の授業や他の部活が使う場所で、今はソフトボール部やアメフト部、女子サッカーに軟式野球部が使っている。
「金持ちだねー、この学校」
「だな」
「ま、帰宅部の私達には関係なかったけど」
「いやいや、エアコンやテレビが使える学校なんてそうそうねえぜ?」
「でもテレビはニュースしか見れなかったよね」
「十分だろ」
 保澄学園の設備はあらゆる分野において備わっており、授業以外でもパソコンを自由に使え、図書館ではかなりの蔵書量に加えて検索サービスやビデオ視聴なども可能である。
 また、バス通学の学生は事前に申請しておけばある程度近くまで送迎してくれる専用バスも利用できたりする。
「でもでも、私達って放課後はいつも自転車で街に出てたから結局この学校の設備ってほとんど使ってないよね?」
「そういや……ああ、そうだな。かなりもったいないことしたな」
 ちなみに二人の高校時代の通学手段は自転車。運転がユーイチで荷台に座るのがソラ。つまりは二人乗りである。道路交通法違反だ。
「ったく、お前がチャリ買わねーから何度鬼坂に捕まったことだか……っと、ちらほらグラウンドに部員が出てきたな。早速聞き込みと行くか」
「うん、じゃあまずはバスケ部からにしよっか」
「…………じゃあなんで外で待機してたんだ」



作品名:察人姫-第壱話- 作家名:朝朽 司