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天井桟敷で逢いましょう 第二話 月追演芸場の一日

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 気になる言葉に視線を高坂先生のそれに合わせた俺に対し、彼女はそれをかわすようにして吸殻を手持ちの灰皿で潰して、自分の寝床へと帰っていく。
 一瞬、その先を問いかけようと呼び止めたくなったが、やめた。
 さっき急ぐなと言われたばかりじゃないか。
 つまりは、そういうことなのだろう。

 演芸館スタッフの昼食は、朝あらかじめ樟里さんが作り置きしておいた物を、手が空いたら食べるという事になっているらしい。そんなわけで、朝の掃除や片付けなどはオリガと葛川さんが中心になってやっていたわけだ。
 今日はおにぎりと卵焼き、ソーセージを焼いたものがラップされて楽屋に置かれていた。
「……いってきます」
「いってくるョー」
 それを食べ終わると、二人仲良く出かけていった。