舞うが如く 第七章 7~9
舞うが如く 第七章
(7)工女たちの悪戯(わるさ)
先輩にあたる工女たちが、
ひととおり持ち場につきました。
新入りである前橋からの見習い工女の20人は、
女性の工女副取締りに引率をされて、繰糸場を
一通り見学をして歩きます。
大音響の蒸気エンジンが唸りを上げて動きはじめました。
ずらりと並んだ灰色塗装の鉄製円形従動輪が、一斉に回りはじめます。
その先にずらりと連なっている、6角形の糸巻き枠を
次々に回転をさせていきます。
その列の下には、工女が整然と並んでいます。
ぴかぴかの真鍮(しんちゅう)製の道具を操りながら、
黙々と、糸繰りの作業をはじめます。
それらの工女たちの間を、フランス人と日本人の指導者男女が
工女たちの手元を見ながら歩きまわっていきます。
それぞれに様子を詳細に見ながら、
時には手にとって指導をしたりしています。
前橋からの新人の一同は、
はじめて見る場内の活気ある様子に、ただただ圧倒をされていました。
目を丸くしたまま、やがて製糸場内を通り抜け、
再び製糸の最初の工程となる、西まゆ倉庫へと到着をしました。
(7)工女たちの悪戯(わるさ)
先輩にあたる工女たちが、
ひととおり持ち場につきました。
新入りである前橋からの見習い工女の20人は、
女性の工女副取締りに引率をされて、繰糸場を
一通り見学をして歩きます。
大音響の蒸気エンジンが唸りを上げて動きはじめました。
ずらりと並んだ灰色塗装の鉄製円形従動輪が、一斉に回りはじめます。
その先にずらりと連なっている、6角形の糸巻き枠を
次々に回転をさせていきます。
その列の下には、工女が整然と並んでいます。
ぴかぴかの真鍮(しんちゅう)製の道具を操りながら、
黙々と、糸繰りの作業をはじめます。
それらの工女たちの間を、フランス人と日本人の指導者男女が
工女たちの手元を見ながら歩きまわっていきます。
それぞれに様子を詳細に見ながら、
時には手にとって指導をしたりしています。
前橋からの新人の一同は、
はじめて見る場内の活気ある様子に、ただただ圧倒をされていました。
目を丸くしたまま、やがて製糸場内を通り抜け、
再び製糸の最初の工程となる、西まゆ倉庫へと到着をしました。
作品名:舞うが如く 第七章 7~9 作家名:落合順平