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ゆびきり

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 その点、今日の鈴木菜奈は写メールを送って来ないということと、服装の説明が明確なことを思うと希望を持てるのではないだろうか。
 身長は百六十センチ弱。体形は「普通」ということになっていた。
「上は白のアンサンブルで下は黒のスキニーデニムです。グリーンの大きなバッグを持っています」
 また電車が到着したらしく、夥しい人影を階段やエスカレーターに運んで来た。そのとき、新たなメールが着信した。サイトを通してのメールだ。
「電車が遅れています。少しだけ待ってくださいね」
 電車が遅れているということも、それを謝罪するような構内放送もない。
 (やっぱり嘘だな。彼女もサクラだったのか)
 サクラはポイントを消費させるために、嘘の約束を何度もする。中野がポイントを買うためにコンビニや銀行のキャッシュコーナーから毎月送る金額は、決して僅かな額ではない。
 サイトを通すと百字しか送れないので、メールの送信費用は、一年では莫大なものとなる。
 要するにこれは詐欺という立派な犯罪の犯人と、自ら進んで接触し、餌食となっているということだ。
作品名:ゆびきり 作家名:マナーモード