ゆびきり
「清さん。こんにちは。明後日、休みですね。
お昼に逢いましょう。
一緒にランチのあと、二人だけになりたいの!
ねえ、いいでしょ。
居酒屋へ行ってから一か月だよ。
秋の気配も近付いて寂しいよ。 菜奈」
「今日の朝、菜奈さんを見たよ!駅の乗り場で実車に
なった直後だったので、声も掛けられなかった。
今は例の高速の下に居ます。
明後日は、救命救急の講習会に、
参加することになったから、諦めます きよし」
そのメールを送った直後、左後方の窓を叩かれた。乗客になったのは、中年の女性だった。
*
九月半ばの土曜日の正午に、菜奈からメールが来た。