「初体験・北海道旅行編」 第二話(最終回)
「日曜日はバイトなんだ・・・でも受験があるから9月で辞めようと思っているけど、今度は無理かな」
「そうだったの。じゃあ来月の最初の日曜日にどう?」
「10月のだね・・・考えておくよ」
「絶対よ!決まったら電話して・・・ね?」
「うん必ずする」
「ありがとう、じゃあお休みなさい」
「お休みなさい」
雄介が受話器を置いて去ろうとすると母親が何か話したいような顔色で見つめていた。
「母さん、今度の旅行で知り合った人なんだよ。みんなでもう一度逢おうって言われたんだ」
「そうなの・・・あなたを信用しているからね」
「ああ、大丈夫だよ」
そういい残して自分の部屋に行った。雄介は母親ともう1人千代子にも嘘をついた。今度の日曜日はバイトではなく佳恵と逢う約束をしていた。そして、みんなで逢う話ではなかった事も。
次回「初体験・千代子編」第一話に続く
作品名:「初体験・北海道旅行編」 第二話(最終回) 作家名:てっしゅう