有名人の知り合い
父親はテーブルのすみにおいてあったハガキを見せながら、
「その市長がお父さんとは切っても切れない中で、毎月ハガキを送ってくれるんだ。ほらこれがそうだ。同じ名前だろう。ははははは。市長も几帳面なやつでな。こちらから出さなくてもちゃんとハガキがくるんだ。多い時には月に3通もくるんだ。はははは、凄いだろう」
ショウ君は少しだけお父さんを見直したようで、顔がほころんでいた。
母親は、そのハガキをチラっと見てつぶやいた。
「知り合いが市長というのもスケールが小さいが、督促状というのは情けない」
了