俺と妹の波乱な日常ー1ー
そうとても遺憾な争いがあった。要約して説明すると・・風呂に入ろうといったらなんと礼奈が「私、兄ちゃんと入る」といって聞かなかった。結局、最後には俺が折れて一緒に入ることとなった。というアニメにしたら1クールに収まる話だ。この話の詳細はまたの機会にしよう。しかし中3で同い年の女の子と一緒の風呂に入るとは夢にも思わなかった。まったく驚きだ。彼女には女の子としての自覚がないのだろうか。先が思いやられるな。ともかくさらなる問題が発生した。礼奈の部屋をどこにするかという問題だ。我が家には部屋が8部屋あるがその
どれもが使用中であり礼奈に与えてあげることは不可能な情況だ。さてどうしたことか。礼奈に聞いたら問題発言が出てきた。
「私は、お兄ちゃんと一緒の部屋でいいけど、迷惑かな?」
俺が愕然とした。女子中学生がまさかなんの恥じらいが無いのは遺憾だとわたくし小林は考える。しかし健全な男子諸君ならば分かってくれよう。共に一夜を過ごしてみたいと思う心も40%いいや見苦しいことはやめよう90%ぐらいある。この気持ちを理解していない男子諸君はいないはずだ。そして俺は欲望に負けてしまった・・・。
「わ、わ分かった。でも今日だけだぞ」
俺は自分に言い聞かせるように言った。
「うん、ありがとうお兄ちゃん」
なんとまぶしい笑顔だろう。俺の下心ありありなことは気づいていないらしい。よかったと安堵する一方いまさらながら恥じらいもある。俺はそれを振り払うようにして大きな声で
「よし、じゃあ俺の部屋にいくか。」
礼奈が元気よく
「うん」
と簡潔に答えた。
俺の部屋は特筆すべきものはない。部屋の扉を開けると、すぐ傍には部屋の大部分を占めるベッド(ダブル)・・・・この時
のために用意したのかな(は・は・は)があり勉強机、その上にはPCや参考書があり机の隣には本棚コンポがある。コレクションは、ベッドの下に隠したからばれないだろう。どうだ普通だろ。そんな殺風景な部屋を見て礼奈は驚いたような顔で
「意外だなぁ~お兄ちゃんの部屋にはないんだねぇ~」
「えっ?何が」
俺は、何だろと思った。すると礼奈は、俺のコレクションの隠し場所をおもむろに漁り、「あっ」という声と共に、コレクションを誇らしげにどうだと言わんばかりに
「あった!やっぱり持ってたんだね、お兄ちゃん」笑ってはいるが目が怖い。
「そっ、それは・・・」
俺は、戦慄した。
「お兄ちゃん、ダメだよこういうのは」
と、言いながら俺のコレクションを両手で、割いた。なんつー握力だ。
「さ、お兄ちゃん寝ようか?」
俺は泣きながら
「うっ、うっ、そうだな、な、なら・・・」
「一緒に寝ようお兄ちゃん!」
俺は、抵抗する気が失せどうでもよくなり
「わ、分かったじゃあ、一緒に寝ようか」
そして、俺達は、ふたり揃って
「「おやすみ」」
と言った。俺と妹の波乱な一日目が終わった。
作品名:俺と妹の波乱な日常ー1ー 作家名:阿良々木暦