せめて心から
社会のクズのような生活をしていた僕は、彼女に出会うことで生まれ変わる事ができた。
彼女のためならば、どんなことでもできると信じていた。
運良くまっとうな職に就くことができたから、これから一生かけて彼女に恩返しをしようと思っていた。
だけど、彼女はここにいるべきではない。
僕の傍にいるべきではないんだ。
彼女が幸せになるために必要なのは、僕ではなくてこのオルゴールの贈り主なんだ。
僕はずっと夢を見ていたんだ。
その事実を、唇から血が流れるほど強く噛締めた。
次の日、彼女の誕生日に僕は一枚の手紙を添えて、羽田行きの片道の航空券を贈った。
何も返す事はできなかった僕だけど、
せめて、心からの“オメデトウ”を、君に。
誕生日 おめでとう。
― オルゴール 了 ―
彼女のためならば、どんなことでもできると信じていた。
運良くまっとうな職に就くことができたから、これから一生かけて彼女に恩返しをしようと思っていた。
だけど、彼女はここにいるべきではない。
僕の傍にいるべきではないんだ。
彼女が幸せになるために必要なのは、僕ではなくてこのオルゴールの贈り主なんだ。
僕はずっと夢を見ていたんだ。
その事実を、唇から血が流れるほど強く噛締めた。
次の日、彼女の誕生日に僕は一枚の手紙を添えて、羽田行きの片道の航空券を贈った。
何も返す事はできなかった僕だけど、
せめて、心からの“オメデトウ”を、君に。
誕生日 おめでとう。
― オルゴール 了 ―