OATH~未来につなぐシルベ~第一章(第5話・第6話)
第一章 第6話-現れた黒幕-
■ヴェノム海底遺跡地下 出口<シーンNo.6-1>
遺跡の上階へとつながる階段を上り、扉を見つけるリディアとレイナ。
リディア「あっ!扉だ」
レイナ「二人に会えればいいんですけど・・・・・・」
リディア「大丈夫よ。それじゃあ、開けるわよ」
扉を開けるリディア。
※このままイベントが続く。
■ヴェノム海底遺跡 遺跡前<シーンNo.6-2>
レイナ「ここは・・・・・・」
扉を開けるとそこは、遺跡前に広がる洞窟に繋がっていた。
その空間を眺める二人。
リディア「あっ!ここは、遺跡の入口だわ!」
遺跡出入り口の前に、二人は戻ってきたことを確認する。
レイナ「・・・・・・と、言うことは・・・・・・」
二人は互いの顔を見ながら、
リディア「(レイナと同時に)戻ってきたんだ!」
レイナ「(リディアと同時に)戻ってきたんですね!」
リディア・レイナ「やったー!!」
二人は抱き合い、その場で回る。
しかし、バランスを失う。
リディア・レイナ「うわぁ!!」
ドサッとリディアがレイナを両手包み込むように地面につく。
リディア「いてててて・・・・・・」
レイナ「わわわっ!だ、大丈夫ですか!?」
リディア「平気よ、こんなの」
リディアはレイナごと抱えながら立ち上がる。そして、二人はお互いの顔を見ながら、
リディア・レイナ「ハハハハハ」
と、笑いあう。ここに戻ってきたという喜びを、笑いで表現しているかのように。
二人が笑い合っているとき、遺跡の入口から、
フェレル(声のみ)「リディアーッ!」
ルリ(声のみ)「レイちゃーん!」
フェレル、ルリ、リディアたちの方へと走り出す。
リディア、二人の顔を見ながら、
リディア「フェイ、ルリさん!」
リディアも走って二人の下へ向かう。
しかし、レイナは、その場にとどまる。
レイナ、3人を見つめながら、
レイナ「・・・・・・」
合流するリディア、フェレル、ルリ。
フェレル「よかった。二人とも無事のようだな」
リディア、親指立てて、
リディア「(得意げに)あったりまえでしょ!あたしを誰だと思っているのよ!?」
フェレル「そうだったな。(冗談っぽく)力技で強引に解決し、言葉が荒く、まるで男と間違えられそうな、ワガママ女王様だったな」
リディア「そうそう、力技で・・・・・・って、ちがーう!どんなときでも凛としている可憐な女性よ、あたしは!」
フェレル「(呆れたように)・・・・・・おまえのどこにそれがあるんだよ」
リディア「あるわよ!」
フェレル「ないない」
リディア「ある!」
フェレル「(うんざりした口調で)なーい」
リディア、ドンッ!と地面に足を強く叩いて、
リディア「ある!!」
二人のやり取りにガマンできず、ルリが二人の間に割って入る。
ルリ「はい、ストーップ!(二人を見ながら)ケンカをしている暇はないでしょ!?」
リディア・フェレル「(二人同時に)す、すいません・・・・・・」
ルリ、呆れたように、
ルリ「もう~これじゃあ、レイちゃんがこの場に入れないわよ~・・・・・・」
ルリの指摘に、リディアは顔をキョロキョロしながら、
リディア「え?あっ、そういえば・・・・・・」
レイナがこの場にいないことを知るリディア。
ルリがレイナのいる方向に指をさす。
後ろで顔を下に向いて立ち止まったままのレイナに、目を傾けるリディア。
リディア「もう~、なんで立ち止まってんのよ~」
レイナの下へと行くリディア。
リディア「(優しい口調で)どうしたの?」
レイナ「・・・・・・」
リディア「怖いの?」
コクリ、とうなずくレイナ。
リディア、レイナに威張った態度を取りながら、
リディア「だいじょーぶ!ルリさんは、あんたのことを心配してたのよ!キチンと答えれば大丈夫、絶対に!もし何かあったら、あたしがサポートしてあげるから、ね!」
レイナ「(リディアを見つめながら)リディアさん・・・・・・」
リディア「さぁ、行こう。二人のもとへ!」
レイナ「(怯えた感じで)は、はい・・・・・・」
二人はルリとフェレルの下へ向かう。
ルリとフェレルのもとへ戻ってきたリディアとレイナ。
レイナにルリと話すように促すリディア。
レイナ、恐る恐るルリに話しかける。
レイナ「(怖がっているように)あ、あの・・・・・・わたし・・・・・・」
ルリ「(優しい口調で)な~に?」
レイナ、慌てて礼をしながら、
レイナ「(慌てた感じで)ご、ごごごごごめんさい!一人で勝手にいっちゃって!その、あの・・・・・・私!!」
ルリ「レイちゃん。顔を上げて」
レイナ、恐る恐る顔を上げる。
その瞬間、ルリがレイナを優しく抱きしめる。
レイナ「!・・・・・・る、ルリさん!?」
ルリ「(優しい口調で)・・・・・・やっと、つかまえた。心配したんだから・・・・・・」
レイナ「・・・・・・」
ルリ「ごめんね」
レイナ「え?」
ルリ「レイちゃんの事、何も気づかなくて・・・・・・でもね、レイちゃんもレイちゃんよ。あの事件の後、すぐにアタシがマノーラを離れた途端、一人になったと勝手に思い込んで・・・・・・生きている限り、一人じゃないのよ。アタシのように見守ってくれる人がいるんだからね!相談もいくらでもしてあげるんだから!!」
ルリの心から溢れる優しさに触れ、レイナは涙を流しながら、
レイナ「・・・・・・うっ・・・・・・ううっ・・・・・・ごめんなさい・・・・・・」
リディア「ありゃりゃ、また泣いちゃって」
ルリ「よしよし。一人でよく頑張ったね・・・・・・」
レイナ「うああああああああ」
リディアとルリ、お互いの顔を見ながら微笑む。
フェレルも遠くから三人の様子をみて、微笑む。
※画面が暗くなる。
作品名:OATH~未来につなぐシルベ~第一章(第5話・第6話) 作家名:永山あゆむ