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彼女のいきかた

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その日彼女は、ドラッグストアの店内で探し物をした。
いや、実際は、目的があって立ち寄った。
出入り口を入って右側三筋目の棚の右角。
『妊娠検査薬』
こんなに手軽に買えてしまう。事実はとても重いのに。
彼女は、数日前からそれを疑い、調べたかった。
何度も棚の前を行き来しながら、ゆらゆら店内を歩きまわった。
結局、買わずに店を出た。
翌日、産婦人科の病院へ出かけた。
医者は、微笑むとも苦々しい顔をすることもなく、冷静にその事実を告げた。
「今7週目ですね。これから体調に気をつけて頑張ってください」
そのあと、保健師さんの説明を受けたり、指導書を貰ったりしたが、彼女の頭の中は、お腹に宿ったその命のことでいっぱいだった。
帰りの車の中。信号待ちで止まった時、バッグの端に入れたエコーの写真を出して見た。
モノクロの画面の扇型の中心に映し出された小さな塊。
そら豆にシッポでもあるような影。コレが命。コレがひと。
後方からクラクションが鳴らされた。
彼女は、膝の上に写真置き、ゆっくりと発進した。

作品名:彼女のいきかた 作家名:甜茶