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覇剣~裏柳生の太刀~

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DNA検査が検視を行っていた警察官のDOIヘットギアに映像配信してきた。
DOI(デジタル・オンデマンド・インターネットインタラクティブ)システムの世界的な普及により迅速に世界のサーバーに繋がり、迅速な答えが映像配信される環境となっていた。
2020年、IT環境が三世代目となっていた。
「DNA検査の結果が出ました。早乙女強に間違いないですね。
死因を心臓からの大量な出血、慙死ですね」
ヘットギアの警察官に慙死と言われ、二人の刑事はまじまじと剣士を見詰めた。
「日本古武道協会。全日本剣道連盟。大東亜武徳会に連絡したほうが良いでしょう」
仙台出身の刑事がもう一人の刑事に話した。
「大東亜武徳会は特に早めに連絡したほうがいい、会長が『白龍(はくりゅう)』だからな」
白龍、新影柳生流剣術指南「柳生清十郎(やぎゅう せいじゅうろう)」のことである。
「世間が大騒ぎしますね」
厄介だ。
色黒の刑事がそう呟いた。
メディアが騒ぎ立てる、それも世界のメディアまで発展する騒ぎとなるのは目に見えていた。
世間も我々と同じことを考えるだろう、そう刑事たちは考えた。
同じこと、剣剣士のことである、剣剣士が言った事柄である。
事柄、話、事実?真実!
簡単な答えが欲しいのだ。
簡単な証拠が欲しいのだ。
シンプルな証拠、つまり、本当に剣剣士は龍剣を倒したのか?剣剣士は本当に強いのか?剣剣士は龍剣に勝ったのなら、次にするべきことは一つ。
目指すものは一つである。
天下無双、世界最強、そう新影柳生流剣術指南「柳生清十郎」に挑むことである。それを世間は否応でも知りたくなるのだ。


覇剣~裏柳生の太刀~第二章へつづく
作品名:覇剣~裏柳生の太刀~ 作家名:如月ナツ