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ホラー

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その夜、彼女はお気に入りのアーティストのコンサートから帰宅し、その余韻を楽しみながら心地よい疲れと燃え上がった汗を洗い流すため、入浴した。
時計はすでに深夜といわれる時間。
おそらく、入浴中に日付が変わることだろう。
少し冷めた湯船のお湯を追い炊きし、温めた。
誰かが入れた入浴剤の白濁色の湯から湯気とともに匂い立つ香り。
今夜の香りは、フローラル系のものだった。
彼女は、この香りがあまり好きではない。
だが、今夜、気分はまだまだハイテンション。
しょんしょん?!いや、少々ノリノリ気分でお気に入りの入浴グッズを足してみる。
フリフリ・・・フリフリ・・・
白濁色の湯の中にピンクやスカイブルーの花びら状のものが浮かぶ。
体を湯船に沈めこむ。体の周りにユラユラと花びらが漂う。
頭の中には、コンサートのサウンドが蘇る。
(しあわせー)

作品名:ホラー 作家名:甜茶