笑ミステリー 『女王様からのミッション』
鞍馬山には鑑真の高弟・鑑禎(がんてい)が開いた鞍馬寺がある。
俗界から浄域への境界線、それは結界。その結界である仁王門を超え、聖空間へと足を踏み入れる。そして枕草子に読まれている九十九(つづら)折り坂を登り行くと本殿・金堂がある。
光の象徴・太陽の精霊である毘沙門天(びしゃもんてん)。
愛の象徴・月輪の精霊の千手観世音(せんしゅかんぜおん)。
力の象徴・大地(地球)の霊王にあたる魔王尊。
これらが金堂堂内に安置されている。そして、それらが三身一体となり本尊となる。
その本尊こそが『尊天』と称せられている宇宙で最強の神。なぜなら『尊天』はこの世の森羅万象を存在せしめる宇宙エネルギーなのだ。
さらに、その金堂を奥へと進むと奥の院・魔王殿がある。魔王尊のサナート・クマラが六五十万年前に金星からここへ降臨したと言われている。そして、今もこの辺りを徘徊しているようだ。
その魔王尊の乗り物こそが……天車。つまり今風に言えば、UFO。
そのUFOが六五十万年前に降り立ったと言う。そんな鞍馬伝説が今でも語り継がれている。
鞍馬山台国(くらまやたいこく)はこんな鞍馬山に確かに存在していた。
作品名:笑ミステリー 『女王様からのミッション』 作家名:鮎風 遊