笑ミステリー 『女王様からのミッション』
シャトルバスが二人の前へサーと音静に入ってきた。
「日本も随分アメリカみたいになってきたなあ、ヨイショ」
高見沢はそう呟き、二人でまたヨイショと掛け声を合わせて乗り込んだ。
レンタカー会社まで一〇分も掛からずすぐに着いた。高見沢はオフィスのカウンターで即座にレンタカーの手続きに入った。応対の女性係員は随分と手慣れている。書類手続きはスムーズに進み、短時間に完了してしまった。
「このオフィスを出た所に、車を用意しています。さっ、どうぞ」
女性係員が車の所まで案内してくれた。そして、「カーボディーにキズ等が付いていないかを、チェックしておきますね」と話しながら、車の周りを早足で一回りする。
「カーナビは、多機能で最新型のものを装備しておりますよ。それでは安全運転で、お気を付けて行ってらっしゃいませ」
女性係員はテキパキ過ぎるぐらいな動きをし、オフィスへとさっさと戻って行ってしまった。
高見沢は何が多機能なのかがわからない。とにかくこの多機能最新型のカーナビを使うのは初めてだ。夏子と二人でなんとか初歩操作を繰り返し、基本的な動作を理解した。そして、リゾートホテルへと出発したのだ。
異国情緒漂う那覇の町。
そこをあっと言う間に通り抜け、海岸ルートを快調に走っている。二人の心身は南国の風景の中へすっかり溶け込んでしまった。
実に気持ちの良いドライブ。夏子も充分くつろいでいる。そして途中万座毛に立ち寄り、少し時間を潰し、ホテルに早めにチェックインした。
東シナ海へ落ちて行く真っ赤な夕陽。久々に夏子と二人でのロマンチックな一時。高見沢は、そんな南国の夕べをゆったりと過ごしたのだ。
作品名:笑ミステリー 『女王様からのミッション』 作家名:鮎風 遊