Love Affair ~夢の中の真実~
俺は満足すると (まあそれは、満足できない自分を実感できた、ということに対する満足だが) 、さっさとシャワーを浴びに行き、部屋に戻ってから女に金を置いて、出ていった。女は「もう少しここにいる」と云った。どうせ、他の男にも淫らな自分を晒すんだろ、と少し腹立たしい気持ちもあったが、心の中で「勝手にしろ」と毒づくのみにし、表面上は憂いのある優しい笑顔を作ってみせた。
俺は車を走らせた。運転をしながら、女と交わった時のことを思い出す。いい思いをしたな、と思う。愛せはしないが、好きな女であることには違いはないのだ。またこのような形で逢えたらいいな、そんな風に思いながら、俺は現実へと還ってゆくのだった。
作品名:Love Affair ~夢の中の真実~ 作家名:竹中 友一