舞うが如く 第五章 16~18
翌二十四日、軍監・中村半次郎が入城し
目録に照らして鶴ケ城を受け取り、城門には燦然と、
錦旗がひるがえります。
会津藩の降伏を契機として、九月二十三日には庄内藩が、
二十四日には南部藩が相次いで官軍の軍門に下り、
東北の戦乱が、ついに終結をしました。
残るは、北海道に逃れた榎本艦隊だけとなりました。
これに大鳥圭介をはじめ、桑名藩主・松平定敬、会津藩家老・西郷頼母、
さらに新選組の土方歳三も加わって、北海道に最終拠点としての、
独立政権が樹立されることになるのです。
しかしこの独立政権も、政府軍の大攻撃を受けて、
明治 二年(一八六九)五月十八日、
ついに降伏をするに至ります。
こうして戊辰戦争は終結し、時代が、
明治へと移り変わりました。
新政府のもとでは、大改革を伴う政策が次々と実行されました。
近代化に大幅に立ち遅れてきた日本が、欧米の背中を追い掛けながら、
富国強兵を「合言葉」に、その疾走を開始します。
第五章・ 完
作品名:舞うが如く 第五章 16~18 作家名:落合順平