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舞うが如く 第五章 13~15

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舞うが如く 第五章
(13)相次いで散る花


 その夜のことです。
竹子の妹、優子は明日の戦いを思い、
勇みつついつしか寝入ってしまいました。
しかし、その夜半になってからのことでした。
母と姉の竹子が、声をひそめて相談をしています。



 「まだ優子は少女であり、
 戦(いくさ)の足手まといにならぬとも限りませぬ。
 また生捕られて、いかなる憂き目に遇わぬとも限らない。
 それよりも今のうちに、冥途 (めいど)に先立てておけば
 心残りもないであろう 」



 と竹子が小声で語っています。


 ところがこの気配を、同僚の依田菊子に気付かれてしまいました。
琴もつられて、眼をさまします。
明かりの無い雑魚寝の片隅で、4人が顔を突き合わせます。
この時、優子はまだ14歳になったばかりです。



 やがて、当の優子も何事ならんと目を覚ましたしまいました。
大人たちの話を聞いて、呆気にとられましたが、
琴の機転でその場はなんとか収まって
一同ともに、明日に備えて就寝をすることになりました。