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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回】きみの て

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「つまりは力を使った竜はこうなったんです」
乾闥婆が敷かれた布団ですやすや眠る四人の赤ん坊を見て言った
「こうって…こう?;」
京助が同じく眠っている四人の赤ん坊を見て聞く
「体が小さいと使う力も少なくていいですから」
乾闥婆が答えた
「…母さん…;」
京助がちらっと母ハルミを見た
「…この赤ちゃん…全部竜之助なのね?」
母ハルミが乾闥婆に聞くと乾闥婆が頷く
「そうです」
「…そう…」
乾闥婆が言うと母ハルミが一番端の赤ん坊の頬を撫でた
「どんな姿でも竜之助は竜之助だもの」
ふにふにと動いた赤ん坊を見て母ハルミが微笑む
「…若い男選り取りみどりだな母さん」
京助が言う
「若すぎよ」
母ハルミが速攻突っ込んだ
「で…この四人の竜…どうするんだっちゃ?」
緊那羅が聞く
「もちろん天に…」
「ここで育てるわよねぇ? 折角帰ってきたんだもの」
言いかけた迦楼羅の言葉を母ハルミの嬉しそうな声がかき消した
「なっ…;」
迦楼羅が驚いて母ハルミを見た
「いいじゃない? 私の旦那ですもの」
「いやしかし…;」
にっこり笑う母ハルミに迦楼羅が慌てて何かを言おうとする
「ねぇ緊ちゃん確か今日のチラシで粉ミルクの写真載ってたわよね? それとももう離乳食かしら」
パンっと手を叩いて緊那羅を見た母ハルミを止めようとして伸ばした迦楼羅の手が見事に無視されている
「あらでも…さっきの話聞いているとこんちゃんとタカちゃん達帰るところないみたいよね? あらぁ!!」
母ハルミがまたパンっと手を叩いて今度は京助を見た
「まー!! すごいわ大家族じゃない!!」
母ハルミが嬉しそうに言うと迦楼羅ががくっと肩を落す
「…負けてますよ」
乾闥婆がさくっと迦楼羅に突っ込む
「母は強しだ鳥類」
京助が迦楼羅の方をぽんっと叩く
「それは意味が違います」
乾闥婆が速攻で突っ込む
「なんだか…一気に賑やかになっちゃったっちゃね;」
緊那羅が苦笑いで言った