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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の続き」 第十二章 相談

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貴史はあなたのこと以外に好きになんかなったりしないから」
「解ってるわよ!貴史が好きにならなくても、お母さんだって好きになっていたでしょ?恭子だって解らないもん・・・」
「洋子が好きになるぐらいの素敵な人だから言い換えればたくさんの女性に好かれるって言うことなのよ。私はそんなんじゃないから
変なこと思わないで。自分がしっかりさえしていればいいのよ。信じるということはそういうこと。あなたがふらつけば貴史も不安に変わる。
それが一番心配なの。解って」

由美は洋子に見透かされた心の内を振り払うがごとくそう言い聞かせた。

「ねえ?こんな嫉妬深い女は嫌われるよね?どうしたら嫉妬しなくなるの?お母さんはそんな経験はなかったの?」
「あるわよ。あなたの母親よ同じようなところが感じられるもの。怒らないで聞いてね。広島のホテルで三人で泊まったでしょ?」
「うん、お父さんと出会った時のことね」
「そう、あなたがお風呂から出てきて、何してるの!って怒ったでしょ」
「貴史とくっついていた時ね」
「うん、あの時ね一瞬貴史のこと気になってしまったの。男性として。あなたの母親なのに何を考えてるの!って強く自分に
言い聞かせた。その夜あなたと貴史が仲良く寝ているところを見せられてとても淋しく感じたの。ゴメンね、言うことじゃなかったけど
あなたには本当のことを言いたかったの」
「やっぱり・・・そうだったんだ」
「聞いて怒っている?」
「そんなことはないよ、薄々知っていたことだし。今はお父さんがいるからなんとも思わない」
「ありがとう、それでねあの後貴史に言われたの。母親として好きだって・・・まだまだ綺麗だから再婚したらともね。
あなたに誤解されるような態度とか言い方をするけどあの子はしっかりとしている子よ。信じてあげて欲しいの。
恭子のことも自分の妹の事のように真剣に考えてくれているから任せておきなさい」
「うん、そうだったの・・・私は自分のことだけしか考えていなかったのね。お母さんのことや恭子のことも大切にしたい」
「洋子・・・嬉しい」

由美はもう涙を堪えることが出来なかった。洋子も一緒になって抱き合っていた。
思っていたことをはっきりと伝えてきっと洋子は自分をより理解してくれたと由美は思った。母親としての感情と女としての感情を
併せ持つのがこの年齢の女性の辛さと嬉しさなんだと思わざるを得なかった。