更新日時:2011-12-24 00:06:54
投稿日時:2011-12-24 00:06:54
無効力恋愛
作者: こまこ
カテゴリー :ボーイズラブ・BL小説
総ページ数:11ページ [未完結]
公開設定:公開
読者数:1/day 17/month 2146/total
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著者の作品紹介
テストup
2005年ころに書いたオリジナルBL小説です
絵を描く友人と共同で設定を作り、同人誌を作りました
舞台:現代日本・男子校
登場人物
白宮 十貴 (しろみや とき) 陸上部(映像部)
英 理人 (はなぶさ りひと) 映像部
武辺 (たけべ) バスケ部(映像部)
安達 (あだち) 映像部
平井 (ひらい) 映像部
----------------------------------------------------
短くホイッスルが鳴った。
薄水色の空に、刷毛で刷いたような雲が伸びている。七月初旬。スタートラインに並んだ白宮十貴(しろみやとき)は、視線の先で陽炎が立っているのに気付いた。200Mインターバル。ゴールラインが揺らぐ。
もう一度ホイッスルが鳴る。位置について。
スタートダッシュで半歩、出遅れる。ほぼ並列で四人、若干前に一人。視界の端に僅かに見える誰かの肩。腕。それが許せない。……もっと前だ。前。前。前。もっと先へ、もっと速く!
ぐん、と何かに押し出されるようにして、視界が開ける。
もっと速く、速く、速く。
混戦を頭一つ抜けて、コーナーに差し掛かる。長い脚が蹴りだす歩幅の広さと、中盤以降の滑らかな伸びが、十貴の武器だ。スタート時の遅れを挽回する。見開いた大きな眸に、もう他人の影は入らない。独走態勢。後続との差を広げながらコーナーを廻り、ラストの直線。
もっと速く、速く、遠く―――。
流れるように加速する。器官をすり抜ける、埃まじりの風が甘い。瞬間的に世界がハレーションを起こす。何にも縛られることがない、煩うことがない、重力からさえ自由だと、錯覚する一瞬。
2005年ころに書いたオリジナルBL小説です
絵を描く友人と共同で設定を作り、同人誌を作りました
舞台:現代日本・男子校
登場人物
白宮 十貴 (しろみや とき) 陸上部(映像部)
英 理人 (はなぶさ りひと) 映像部
武辺 (たけべ) バスケ部(映像部)
安達 (あだち) 映像部
平井 (ひらい) 映像部
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短くホイッスルが鳴った。
薄水色の空に、刷毛で刷いたような雲が伸びている。七月初旬。スタートラインに並んだ白宮十貴(しろみやとき)は、視線の先で陽炎が立っているのに気付いた。200Mインターバル。ゴールラインが揺らぐ。
もう一度ホイッスルが鳴る。位置について。
スタートダッシュで半歩、出遅れる。ほぼ並列で四人、若干前に一人。視界の端に僅かに見える誰かの肩。腕。それが許せない。……もっと前だ。前。前。前。もっと先へ、もっと速く!
ぐん、と何かに押し出されるようにして、視界が開ける。
もっと速く、速く、速く。
混戦を頭一つ抜けて、コーナーに差し掛かる。長い脚が蹴りだす歩幅の広さと、中盤以降の滑らかな伸びが、十貴の武器だ。スタート時の遅れを挽回する。見開いた大きな眸に、もう他人の影は入らない。独走態勢。後続との差を広げながらコーナーを廻り、ラストの直線。
もっと速く、速く、遠く―――。
流れるように加速する。器官をすり抜ける、埃まじりの風が甘い。瞬間的に世界がハレーションを起こす。何にも縛られることがない、煩うことがない、重力からさえ自由だと、錯覚する一瞬。