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お金持ちお嬢様、トモミの意識改革大作戦

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校長がカンペを読み終わるのと同時に、全校生徒が起立しだした。
トモミは皆より1秒遅れて起立した。
(あ~、危なかったわ……。)

一礼をするトモミの右隣で「ウフフ!」という笑いがこぼれた。
トモミは恥ずかしくなって頬を赤らめた。

トモミの教室は1-C組になった。
担任が来るまで、沈黙した空気が包み込まれ、トモミもまたこの空気に同調するように沈黙を守った。
と、思ったらまた右隣でじっと視線を感じ、いたたまれなかった。
熱し線のように感じる視線に耐え切れなくなり、その方向を見た。
またもや小さな声でその右隣にいる女性に話しかけられた。
「あら……、お眠りさん、やっと気づいてくれたのね?」
入学式のときにトモミの居眠りを起してくれた、あの彼女だった。
トモミは窓側の一番後ろで、その女性は偶然にもトモミの席の右隣だった。
トモミはまた頬を赤らめながら
「あ~……、あ、あなただったのね……。え~っと?」
また小さな声で、右側の女性はしゃべった。
「下田(しもだ)あおい。あおいって呼んで?あなたは……、トモミさんだったわよね?トモちゃんって呼んでいい?」
何で知ってるのかを尋ねようとしたら、右胸に名前のプレートを指差してウインクした。

あおいはニコッと笑って首を傾けながらこう言った!
「よろしくね!」っとまるで季節はずれのヒマワリの様にまぶしい笑顔がトモミの目の奥に焼きついた。
トモミは、立ち上がって大声で裏返った声で返答した。
「よ、よ、よろしくおねがしまっすっ!」

教室中の視線を一気に集めてしまったトモミは直ぐに着席して頭から湯気を出してしまった。

これが、トモミにとって初めて友達が出来た瞬間だった。