2006-2010 詩集Ⅱ『そら』
3.
暗闇に慣れた目をつれて
寝静まったドアの鍵をあける
猫のようにすりぬけた扉の先
待っていたのはぬれた風
仰ぐ満天の海の中
迷子になった光が私を招く
落ちないように そっと腰をすえて
大地をつかまえる
ひやりとした夜の風
瞬いた瞳に映る流星
ひとつ落ちるたびに
何かが心をしめつけて
それを理解しながら、また一つ星を見送る
あの時の私とは
もはや違うのだと淋しくなって
それは明けない夜半の、ひとときの話
『October 21, 2009 -- Orion』
作品名:2006-2010 詩集Ⅱ『そら』 作家名:篠宮あさと