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舞うが如く 第四章 13~14

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舞うが如く 第四章
(13)八重と中野姉妹



 幕末から明治へといたる激動の時代の中、
新政府軍と旧幕府側勢力が戦った『戊辰戦争』の内でも、
最も悲劇的な戦いの場となってしまったのが、
ここ会津の地でした。



 10代の少年達が戦争に狩り出され、自決により
その尊い命が犠牲になった、白虎隊の悲劇はあまりにも有名です。
しかし、戦争の犠牲になったのはこの白虎隊だけでは
ありませんでした。
戦乱が人生を狂わせ、あえて非業の死を遂げた、
女性達もたくさん存在します。



 1853年『尊皇攘夷』の名のもとに、
革命の嵐が吹き荒れました。
おおくの過激な浪士や志士たちが、天皇のいる京都に終結をします。
京の治安を守るために、幕府は新しい守護職を創設する事を決定し、
その大役に選ばれたのが、会津藩主の松平容保でした。

 会津には
『たとえ他藩が背いても、
会津だけは将軍家のために命を懸けて励む』
という初代藩主より代々伝わる家訓が存在します。

 会津藩士1000名と共に、新選組も配下に加えて、
厳しい姿勢で、尊王の志士たちの取り締まりはじめました。
 そんな武士の心意気と伝統が、根強く残る会津には、
男勝りで、剛毅な女姓たちもまた
数多く存在しました。