小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

舞うが如く 第四章 4~6

INDEX|1ページ/8ページ|

次のページ
 
舞うが如く 第四章
(4)山南の脱走
 
 
壬生から五条通をこえて南に行くと、島原遊郭へ出ます。
島原で遊ぶとなるとかなりの出費です。
馴染みの芸妓を持ち、盛大に宴会を開いたりするのは、
新撰組でも幹部たちだけの特権でした。


 また島原の太夫は、江戸吉原の花魁などとは格が違い、
お公家さんの子女などもいて、
教養に溢れた女性たちがほとんどです。
そこから遊郭の大門を出て、花屋町通を東に向かうと、
西本願寺に到着をします。



 隊士たちが200名を越えた新撰組が、
手狭となった壬生の屯所から、ここの西本願寺へ、
本拠を移す計画が持ちあがりました。


 なにかにつけて、幕府と敵対する長州藩と、
西本願寺には、特に密接な縁が有りました。
先の「蛤ご門の変」でも、敗走する長州藩士30名余りを坊主にして
匿ったという逸話が残っています。



 尊王攘夷思想から今では幕府の用心棒となり、
勤皇の志士達への弾圧と、殺害に奔走しはじめた新撰組が、
次に選んだ屯所が、長州藩の影響を排除を狙っての
西本願寺の境内でした。


 局長の山南敬助が、これに異を唱えました。