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舞うが如く 第四章 1~3

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 1856年・下田に
アメリカの駐日総領事ハリスが着任し、
幕府は、アメリカと日米修好通商条約を結びました。
 この条約には一方的な最恵国待遇・居留地制・領事裁判権・協定関税制などの
不平等な条項が盛り込まれ、日本は1911年まで治外法権と
安い外国製品の流入に苦しめられる結果となります。


 開国の結果、アメリカ以外に英仏露など列強各国が
こぞって日本にやって来て、横浜などに居留しはじめました。
当初は外国商人との貿易が中心となり、
綿糸・織物・金属・武器・砂糖・薬品などが主に輸入され、
日本からは絹生糸やお茶などが輸出をされました。

 こうした盛んな貿易は、やがて諸物価の高騰をまねき、
流通制度などで日本経済の大混乱を招き、庶民の生活を圧迫し始めます。
庶民や武士らの不満は、やがて尊皇攘夷思想を芽生えさせ、
倒幕運動へと発展していきました。

 幕府はこうした動きに対して
大老井伊直弼らが厳しく取り締まり、安政の大獄などを行いますが、
逆に尊皇派は、井伊を桜田門外で暗殺してしまいました。
権威を著しく失った幕府は、朝廷と公武合体を図り
融和策を取りはじめます。


 しかし、薩英戦争や英米仏蘭による、四国艦隊下関砲撃事件などを経て、
欧米諸国の強大さを実感した長州藩は、幕府を早急に倒し、
天皇を中心とした中央集権国家を作る必要性を
強く感じるようになりました。
長州は志を同じくする薩摩藩と薩長同盟を結び、
本格的な倒幕運動を目指すようになります。

 また、土佐藩は朝廷と徳川家の連合政権を構想し、
将軍徳川慶喜に大政奉還を勧めました。
慶喜はこれを受諾して、1867年12月には王政復古の大号令が発せられ、
ついに徳川幕府は倒れ、新政府が樹立しました。