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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「初体験・佳恵編」 第一話

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「そういうものですかねえ、よく解りませんが・・・縁に任せればいいじゃないですか」
「そうするしかないよな、お互いの気持っていうのがあるからな」
「女心は難しいですね」
「おう!いっぱしのことを言うね、なんか嫌なことでもあったのかい?」
「いいえ、そうじゃありませんけど・・・よく解らないことがありましたから・・・」
雄介は香奈枝の心境のことをそう思っていた。

「確かにそうだな。男は単純だから解りやすいよな?そうだろう」
「はい、その通りですね」
「右か左、イエスかノーだもんな?」
「近いですね」
「女は時にはイエス、時には同じ内容でもノーなんだ。解るかい?」
「なんとなく解ります」
「そうか、気分屋っていうことだな。女心と秋の空って言うしな」
「多分、思いが重なってその時の感情がコントロール出来なくなるんでしょうね」
「難しいことを言うね。男は決めたら理不尽でもイエスだけど、女は時と場合によるからな」
「現実的に考えるんですよ、ロマンチストじゃない男のように、違いますかマスター?」
「そこだ!その通りだよ雄介くん」

話し込んであっという間に閉店時間になった。よいお年をと挨拶をして自宅に帰った。
「雄介!電話があったんだよ、佳恵さんのお母さんから」
「えっ?何で?訳聞いたの」
「こんな時間になったから電話出来ないけど、明日の朝に掛けてあげて。なんだか大切なお話しみたいだったから」
「うん、解ったよ」

雄介は何の電話だったのか考え付かなかったが、明日の電話でとんでもないことが解ってしまう・・・