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ゴーストライター
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百戦錬磨 第一話

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―――――世の中には『運命』という言葉がある。
それは体のいい言葉だ。
「運命だから」この成句はもはや常套句となってしまっている。
人は言葉に逃げてしまっているのだ。
自分の力不足から、自分の経験不足から、人は目を背ける。
人は自分のことが大好きだ。だから、自分の非を認めない。だから、自分ではない何かに非があると主張する。
そして、その者たちが槍玉に挙げるのは『運命』だ。
時には『運命』に止まらず『神』にもその責任を押し付ける。
故にこのような成句が出来あがってしまうのだ。
ただの自分の力不足を『運命』へと逃げてしまい、本当の自分を見ようとしない人間は本当にどうしようもない『運命』がやって来たとき、どうするのだろうか。
抗うのだろうか。いや、それはない。なぜなら、本当の自分の姿すら見ようとしない者たちが自分の本当の姿を見るよりもさらに大きな難関に立ち向かえるはずがない。
だから、過去に多く者たちが諦めてきた。自らの力不足や経験不足であることにすら気づかずに。
越えられないから、と挑む前から勝負を放棄してしまったのだ。彼らは『運命』と言う名の強敵に立ち向かおうとすらせず、不戦勝を選び、消えて逝く。
―――――ではなぜ、そんなにも悲しそうな表情で消えて逝くのか。
時には家族と、親友と、戦友(なかま)と、そして、愛するものと涙を流しながら別れるのなら、なぜ、抗わないのか。
ある者は言った「苦しむ時間が増えるだけなのなら、さっさと諦める方が得策だ」と。
そうして、いつしか人は『運命』に、そして『神』に抗うことを止めたのだ。
だが、しかし、諦めることが当たり前の世の中でも、諦めない者がいた。
絶望的な状況でも、変えられない『運命』だったとしても。
確かに抗う者たちがいたのだ。
最初は一人、次は二人、次は三人と徐々にその数は増えていった。
たとえ、戦う相手が『運命』だろうと『神』だろうと、彼らは立ち上がったのだ。抗うために。
諦めることが当たり前だった世界で彼らは異端だった。どんな世の中でも異端は『正義』ではなく『悪』である。―――――故に彼らは正義ではない。
彼らは『運命』に、そして『神』に抗う反逆者。
だからこれはただ『運命』を許せなかった者が――――――

―――――――――『運命』と『神』へ反逆する物語――――――――