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永山あゆむ
永山あゆむ
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OATH~未来につなぐシルベ~序章(後半)

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序章:動き出す時計(シナリオ) 第4話-悪夢の夢から・・・・・・-



■リディアの夢 聖地プレシャス 舞踏館<シーンNo.4-1>

 リディアの夢の中。
 一人の少女(9歳)が舞踏館のステージで愕然としている。

  少女「な、なに・・・これは・・・・・・」

 少女はそのまま、ステージの上に座ってしまう。
 無理もない。少女が見たものは何と・・・・・・舞踏館内で踊っている人全員が死んでいるという、『絶望』という表現を具体的にした光景だった・・・・・・。

  少女「(泣きそうに)なんなのよ・・・なにが起こったのよ~・・・・・・わああああああっ!」

 少女、泣きながら舞踏館に広がる屍に顔を合わせないように出口まで走り出す。まるで、自分が犯した『現実』から逃れるかのように・・・・・・。

■リディアの夢 聖地プレシャス 街道<シーンNo.4-2>

  空は暗く、冷たい雨が降っている。その中で、悲劇から目を背けるかのように8歳ぐらいの幼き少女が泣きながら森を切り拓いた街道を走っている。

少女「・・・・・・なんで・・・・・・なんでこんなことが・・・・・・」

 少女、足元に落ちている石に気づかず、躓(つまづ)く。

少女「・・・・・・ううっ!」

 少女、倒れる。
 倒れると同時に彼女の犯した罪を制裁するかのように雷が鳴り響く。
 少女はそのままうつ伏せになって、泣きながら自分の右手を見つめる。

少女「・・・うっ・・・うっ・・・あたしが・・・・・・あたしがやったの?・・・なのに・・・なんで・・・あたしは生きているの?いやだ・・・いやだよ・・・こんなの・・・・・・」

 雷が鳴り響く。

少女「・・・・・・お願い・・・・・・誰か・・・・・・あたしを・・・・・・あたしを・・・・・・」

 雷が再び鳴り響く。

 (画面が暗くなる)
  
 彼女は、心の底から望むように、

少女「・・・・・・殺して・・・・・・」

 ※夢のイベントが終わり、サウスマリー フィーリングの家2階 フェレルの部屋でのイベントに続く。(強制的にフェレル、ダンがパーティから離脱する)

■サウスマリー フィーリングの家2階 フェレルの部屋<シーンNo.4-3>

 フィーリング道場の隣にある、2階建ての木造の家-それがダンとフェレルの家である。フェレルの部屋は2階にある。彼らしく、剣術などの本に囲まれており、机もきっちりと整理されていて、部屋全体が綺麗である。
 その部屋のベッドで寝ているリディア。しかし、『夢の出来事』の影響によりうなされている。

リディア「(苦しそうに)・・・・・・う・・・・・・う~ん・・・・・・」

 リディア、苦しそうに左右に寝返る。
 苦しそうにしているなか、いいタイミングでフェレルが部屋に入ってくる。

フェレル「リディア、もう昼だぞっ!!いい加減に・・・・・・」
リディア「(苦しそうに)う~・・・・・・」
フェレル「リディア!!」

 フェレル、すぐにベッドのそばへ。

リディア「(苦しそうに)う~ん・・・・・・」

フェレル、リディアの体をさわって揺らしながら、

フェレル「リディア!おい、リディア!」

 そして、ついには叫ぶ。

フェレル「起きろ!!」
リディア「・・・・・・!!」

 リディア、ガバッと起きる。

フェレル「うおっと!」

 あまりにも勢いよく起きたため、驚くフェレル。

リディア「はあ・・・はあ・・・・・・」

 リディア、顔色青ざめており、汗が出ている。

フェレル「顔色悪いぞ・・・・・・大丈夫か?」
リディア「うん・・・・・・ちょっと・・・・・・悪い夢を見ただけ・・・」

 フェレルため息つきながら、

フェレル「・・・・・・ったく、脅かしやがって!だいたい、いつまで寝てるんだよ!もう昼だぞ!」
リディア「・・・・・・」

 リディア、フェレルを無視して考え込んでいる。

フェレル「リディア!」
リディア「(驚いたように)え!?」
フェレル「聞いていたのか?」
リディア「あ・・・・・・ごめん・・・・・・」
リディア「・・・・・・」

 リディア、また考え込む。

フェレル「なんか、いつものおまえらしくない・・・・・・」
リディア「(フェレルを見ながら)・・・・・・し、失礼ね!あたしだって、ナイーブになることだってあるわよ!!」
フェレル「じゃあ、なんでそんなにナイーブになっているんだ?」

 リディア、悲しそうな雰囲気で語りだす。

リディア「・・・・・・悪夢をみたの」
フェレル「悪夢?」
リディア「うん。しかも・・・・・・戦いの途中でアイツの防御壁に弾かれる前に、脳裏に焼き付いたものとほとんど同じだったの」
フェレル「(驚いたように)え?」
リディア「・・・・・・ホントに悪夢としか言いようがないわ。一人の小さな女の子が暗い舞踏館?らしきステージ上からたくさんの人の死体を見ていて・・・・・・それからその子は、自分が犯した罪から逃れるみたいに泣きながらでていったの。そして、近くの街道で気を失って・・・・・・」
フェレル「・・・・・・」

 リディアの内容に返す言葉も出ないフェレル。

リディア「あれ・・・・・・あたしの・・・・・・記憶なの、かな?」
フェレル「え?」

 リディア、不安そうな表情でフェレルを見つめながら、

リディア「・・・だって、『同じもの』を二度も視てしまうなんて、こんなことある!?偶然にも程があるわよ!」

フェレル、顎に手を当てて考え込みながら、

フェレル「で、でもなあ・・・・・・脳裏や夢で視ただけで、それを自分の記憶だと『確証』できるってのも、なんか、なあ・・・・・・」
リディア「でも、『偶然』って割り切るのも・・・・・・」

 二人は、考え込んでしまう。

フェレル「・・・・・・とにかく、曖昧な事は確証につながらないから、この話は水に流して・・・・・・一階でシスターがま・・・・・・」
リディア「『確証』?・・・・・・確証・・・・・・そうよ!」

 リディア、突然ピンときて、立ち上がる。

フェレル「へ?」
リディア「(フェレルを見ながら)アイツを探せば、あたしの視たものが『確証』につながるじゃない!!」
フェレル「あいつって?」
リディア「あの男よ!アイツは、あたしのペンダントを奪った。そして、そのペンダントからアレを視た。つまり、あいつを探せば分かる事じゃない!」
フェレル「まてよ!あの男の力を見ただろ!殺される危険だってあるんだ。それに、仮に『悪夢』が本当におまえの記憶の一部だとしたら、おまえは正気でいられるのか?」
リディア「その時はその時よ。本当に『悪夢』が『記憶』とは限らないし、あいつと戦ってもあたし、絶対死なないし!それに、過去のことを受け止める覚悟はしているわ!つらく、悲しい記憶でも・・・・・・足掻いて、這い上がって見せるんだから!!」

 リディアは、フェレルを見つめ、フェレルはリディアを見つめる。
 フェレル、リディアから視線を逸らし、

フェレル「(ため息つきながら)・・・・・・ったく、後先考えずに大口叩いて、強がりやがって・・・・・・」

 リディア、フェレルの側を歩きながら、

リディア「フン!いいわよ、別に。もう、決めたんだから。それに・・・・・・」