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舞うが如く 第三章 16~17

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舞うが如く 第三章
(16)沖田が倒れる


 2階に残った沖田総司は、
5人の浪士を相手にしました。


 他のものたちが次々と脱出を図る中、その場に残っただけのことはあり
さすがに腕には自信があるようでした。
そのうちの一人が、鋭い気合とともに
総司に斬りかかってきました。


 左右にあしらいつつ、数回剣をまじえたのちに、
あっさりとこの浪士を突きぬいて、斬り倒してしまいます。
さらに残る4人に向かって、
取りかかろうとした矢先でした。



 沖田の身体に突然、異変が生じます
激しくせき込んだ瞬間に、
大量に吐血して呼吸もままならなくなりました。
ついには、立っていることさえも困難となり、
先ほど倒したばかりの浪士の上に
崩れるように、倒れこんでしまいました。



 
 池田屋の裏手で守備を固めていた、
新撰組の3人はしばらくの間は、
屋内でおこっている騒動には気がつきませんでした。
当然のこととして、池田屋の一階ばかりに
注意を払っていたこの3人に、突然の不幸が襲いかかりました。



 近藤と沖田が踏みこんで騒然となった二階から
10数人の浪士たちが、
いきなり二階から頭上に飛び降りてきたのです。
裏口を出れば、北に数町行ったところに長州藩邸があるのです。
当時の藩邸には治外法権が認められ、
幕府の捜査権が及びません。



 「裏庭さえ突破すれば助かる」
必死の想いの浪士たちが、突破のために剣をふるいます。
急襲された形のままに、奥澤が倒され、
安藤早太郎と新田革左衛門も深手を負ってしまいました。


 沖田総司が病で倒れ、藤堂平助が負傷で戦線を離脱して、
永倉新八も左手に傷を負い、裏庭でも次々に深手を負いつづけ、
近藤隊が窮地に陥っていたまさにその時に、
別動隊の土方たちが、ようやく池田屋に到着しました。