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舞うが如く 第三章 13~15

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舞うが如く 第三章
(14)宵々山の夜




 古い歴史をもつ京都・祇園祭の起りは、
疫病除けを目的としたものでした。
京都の町はかつて雨が激しく降ると鴨川がすぐに決壊して洪水を起し、
疫病を引き起こしていました。
そのために古来の祇園祭は、雨の多い
梅雨の時期におこなわれていたのです。


 もっとも有名な神事は、
7月17日におこなわれる「山鉾巡行」ですが、
その前日を「宵山」、前々日を「宵々山」と呼んでいます。


 祇園祭は旧暦を尊重しておこなわれていて、
暦が旧暦だった頃、山鉾巡行は6月初旬におこなわれていました。
(※現在の暦と旧暦では、約1ヶ月半の違いがあるので、
 現在の山鉾巡行は、7月17日と定められています)

 池田屋騒動のあった元治元年(1864)の山鉾巡行は
6月7日ですので、池田屋騒動は、
祇園祭宵々山の日だったことになります。


 
探索の結果、
三条小橋西詰めの旅館・池田屋が
過激派たちの拠点らしいことが浮かび上がってきました。



 さらに、6月5日の夕刻、
過激派たちが、木屋町周辺に集結するとの情報が入ります。
先手を打っての探索のために、新撰組の隊士が総動員されました。
大規模な捜索活動のための周到な準備が始まります。
会津藩、所司代にも応援を依頼した新撰組が、
その日のうちに、武器や装備を祇園会所へ運びこみました。


 手はずを整えたのちに、夕方頃から
壬生の屯所を出た隊士たちが、三々五々連れ立って
集合場所の祇園会所へと向かいます。