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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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別れの殺意

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大家は運転席に座り、シートベルトを締めた。
車が走り出すとエンジンを切った。
ゆるい勾配であったが、スピードは40キロになっていた。
カーブになりブレーキを踏んだ。
またカーブだ。ブレーキを踏んだ。
少し走ると急なカーブになった。ブレーキを踏んだが、何か力が入らない。
ブレーキを踏んだが軽いまま床についてしまう。
勾配は急になりスピードは上がっていく。
大家は何度もブレーキペタルを踏み込んだ。
サイドブレーキを引いたが速度はそれ程遅くはならない。
「助けて~」
カーブを曲がれずに崖下に落ちた。
達也はそれを確かめてから、そのまま走り去った。
翌日の新聞に
若い女性運転ミスで死亡
との記事が乗っていた。


エンジンを切ったまま走ると、ブレーキオイルが回らなくなり、ブレーキは効かなくなる。
作品名:別れの殺意 作家名:吉葉ひろし