舞うが如く 第3章 4~6
数々の乱暴を働く芹沢ですが、、
ついに朝廷側も堪忍袋の緒が切れる、大事件が発生しました。
この年の7月に、尊攘過激グループである天誅組が、
暴利を貪る奸商として油問屋・八幡屋の主人を殺害するという事件が起きました。
加えて、大和屋も同様に、天誅の対象であると宣言します。
これに震え上がった大和屋庄兵衛は、天誅組に
1万両を献金して和解を図りました。
これを聴きつけた芹沢が、大和屋におしかけます。
大和屋に軍資金の用立てを依頼しますが、喰いつめた浪士風情と軽く見られた結果、
壬生浪士組には金は出せないと、断わられてしまいます。
これに激怒した芹沢が、大和屋が生糸を買い占めて値段を吊り上げ、
暴利を貪っていることなどを理由にあげて、
大和屋に大砲2門、隊士33名をひきつれて
打ち壊しのために押しかけました。
ちょうどこの時に、壬生寺では、
近藤勇が主催する相撲興行が盛大に開催されていました。
先日の、力士騒動の手打ちを無事に済ませたばかりのことで、
京と大阪でのそれぞれの相撲巡業のために、近藤たちが一肌脱ぐことになり、
その和解巡業が、大阪から京に移ったばかりの、
最初の夜の出来事でした。
西陣の大店の一大事を聴きつけて、野次馬が殺到する中で
芹沢は、土蔵めがけて大砲をうちこませ、屋敷に火を放ちました。
駆けつけてくる所司代の火消し役までも追い払い、
一歩も近づけさせないままに、土蔵もことごとく打ち壊し、
ついには大和屋の屋敷を、全焼させてしまいます。
事ここにいたった朝廷は、
特命を帯びた密使を京都守護代・会津藩のもとへと送ります。
会津藩からは近藤勇に呼び出しがあり、
遂に内密の厳命が下りました。
作品名:舞うが如く 第3章 4~6 作家名:落合順平