俺とみこの日常 4話
「「ごちそうさま」」
ふー、食った食った。
「よし!荷物を開けよう!!」
えーーー。
「開けずに放置していいんじゃないか?」
邪魔だけど。
「開けようよ!!」
えーーー。
「開けるよ!」
え、嘘?
「ちょっと待て!」
あ、
「もう開けちゃった☆」
まあ、いいか。箱の中身、少しは気になってたし。
「うわーーー!!すごい!!」
みこが驚いている。
まあ、それもそうだろう。
箱を開けたら、梱包材しか入ってなかったから。
「なんでこんなに梱包材がっ!!」
みこがどんどん中身を取り出していく。が、しかし、梱包材しか出てこない。
そんな重要なものが中に?
「あ、真ん中あたりに何か入ってる」
そう言ってみこが取り出す。
梱包材の中から、何かのケース(中身入り)と、封筒が出てきた。
「はい、そーくん」
「ん」
俺は封筒を受け取った。”蒼大へ”と書いてあった。
開けてみる。
『こん~蒼大~!ママよ~!』
いや、言われなくてもわかる。
『この前、変な薬品使ってパパと遊んでたら、薬が出来たからあげるねっ☆』
いや、”あげるねっ☆”じゃねえだろ!ってか変な薬品から出来た薬とかいらんわ!!
『この薬は、2人で同時に飲んでね!それ以上でもそれ以下でもだめよ!!』
いや、飲みませんけど。
『隣にみこたんいるでしょ?薬を一緒に飲んでみて?』
いや、”みこたん”って。俺もついこの前まで”みーたん”だったけど。
『というわけでノシ!』
帰りやがった!!
「よし、この薬は捨てよう」
危ない。
「ダメ!!」
「なんで?」
「まだ使ってない」
「使わなくていい」
「もったいない」
「もったいなくない」
「そーくんのバカ」
「…またでていくのはやめろよ?」
探すのはもうこりごりだ。
「嫌なら薬、飲も?」
「それも嫌だ」
「なんで嫌なの?」
「飲むとどうなるか、大体想像がつくから」
俺の考えだと、相当ベタな展開になる。はず。
「どうなるの?」
「言うとみこがやりたがると思うから口にしたくない」
「ケチ」
「ケチじゃない」
この薬はどこか、みこの手の届かないようなとこ…本棚の奥のほうにでも置いておこう。
お、そろそろこんな時間か。
「じゃ、太郎の家に遊びに行ってくる」
「………行ってらっしゃい」
みこの機嫌が悪いが、仕方ない。危険物を飲むよりましだ。
「行ってきます」
作品名:俺とみこの日常 4話 作家名:ざぶ