夢のなかのサンタさんとの約束
外に遊びに行くと、和子ちゃんに会った。
「これサンタさんに貰ったよ」
お菓子がたくさん入った袋を見せた。
「和子ちゃんちはキリストを信じているんだね」
「知らない」
「家は仏教だって」
宏は5歳。和子ちゃんは7歳だった。
「ママが言ってたけれど、貧乏な家にはサンタさん来ないって」
「そんなこと無いよ。かァちゃんは仏教だから来ないって言ったよ」
「このお菓子美味しい」
和子ちゃんは一人で食べていた。
宏はよだれが出たけれど我慢した。
とうちゃんがいないから貧乏だって宏は知っていた。
作品名:夢のなかのサンタさんとの約束 作家名:吉葉ひろし