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茶房 クロッカス その4

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 カラ〜ン コロ〜ン
 ドアが開くと、また意外な人物が入ってきた。
「こんにちわぁ〜、悟郎さん」
「おぉ! 京子ちゃんじゃないかっ。君も、もしかして薫ちゃんのお祝いに来たのかぃ?」
「えぇ、そうなんです。先輩に声掛けてもらったもので……」
「あれっ? そう言えば、良くんといい京子ちゃんといい、今日は仕事は?」
「もう、マスター! 今日は日曜ですよ」
 そう言いながら、沙耶ちゃんが笑っている。
「あっ、そうか。今日は日曜だったんだ。すっかり忘れてたよ。アハハハ……」
「そんなことだろうと思ってましたよ、マスター。それより京子ちゃん、よく来てくれたわね。さぁ、座って!」
 京子ちゃんは、沙耶ちゃんに勧められて薫ちゃんの隣に座ると、
「先輩、呼んでくれてありがとう」と沙耶ちゃんに言い、向きを変えて、
「――あ、薫さん。赤ちゃんの顔見せて下さい」と、薫ちゃんに言った。
「どうぞぉ〜」 
 そう言うと薫ちゃんは、おくるみの端をそっとめくった。
「ふふっ、本当に可愛いわぁ。やっぱり赤ちゃんて可愛いな。薫さん本当におめでとう!」
 京子ちゃんは、赤ちゃんの頬をツンツンと突付いてにっこり笑った。
「ありがとう、京子ちゃん。京子ちゃんは彼氏はいるんでしょ?」
「えっ!? 彼氏ですかぁ、……残念ながらいないんですよ」
 京子ちゃんはそう言うと、チラッと俺の方を見た。

 その後ランチタイムになったが、日曜日のせいかあんまり客もなく、みんなで俺の日替わりランチを食べて、その間も楽しく会話をしていた。
 やはり若者は若者同士だ。そう思って俺はお客の対応をしていた。
 
 ランチタイムが終わって、ようやく俺も会話に加わった時には、話は恋人の話になっていて、俺はそばで黙って話を聞いていた。
「ねぇ、沙耶は良くんのことどう思ってるの?」と、薫ちゃんが聞いた。
「どうって……。ねぇ、良くん」
「えっ? うん。俺はどう答えればいいんだ?」
「じゃあ良くんは、沙耶のことどう思ってるの? もう結構付き合い長いよね。そろそろ結婚とかは考えてないの?」
「うーん、正直言って僕はいつでもOKなんだけどなぁ〜」
「えっ、良くん、そんなこと一度も言ったことないじゃん!」
「まあ、まだそんなに急ぐこともないと思ってたからさっ」
「で、沙耶はどうなのよぉ?」