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舞うが如く 第2章 7~9

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舞うが如く 第二章
(7)近藤勇・見参

 文久2年12月、
幕府は将軍警護のための、傭兵部隊とも言うべき
浪士組の募集を開始しました。

 幕府が予定していたのは、50人程度の定員でした。
しかし浪士組を尊王倒幕の兵として秘密裏に使おうという
野望をいだく清河八郎は、出来る限り多くの人数を集めようと奔走します。
したがって素性の怪しいものでも、
かまわず浪士組に参加させてしまいます。


 その結果、近藤勇などの
のちに新撰組の主力となる真っ当な浪士たち以外にも、
素性のわからない浪士を含めて、最終的には
総勢が、250人を超える大所帯に膨れ上がってしまいました。
一説には、1200人から1500人近くが殺到したともいわれ、
実技の選考を経て、多くの剣客たちが
ふるい落とされていきました。

 江戸の小石川には、
近藤勇の試衛館(しえいかん)道場があり、
そのほど近くに、浪士たちの初会合にも使われた
小石川伝通院が建っています。
浪士たちには、申し込み順での腕試しがあり、
複数人を勝ち抜くことが採用の
条件ともされていました。

 琴が汗もかかずに、
2人目の剣客に勝利した時のことです。
上座で見聞していた試衛館の門弟たちが並ぶ席から、
若い剣士が、片手をあげて立ち上がりました。
四天王の一人、沖田総司です

 「なかなかの使い手ぶりである。
 異存がなければ、わたくしがお相手いたすが、
 いかがかな?」

 「願ってもありませぬ。
  試衛館の沖田総司様とお見受けいたしたました。」