舞うが如く 第2章 4~6
「それらのみなさんも、浪士隊に加わるのですか」
「全国より腕に覚えが有る剣客たちが、
われこそはと集まってくる。
すでに、応募の数が1500人を越えたと聞きおよぶ、
いずれ、選抜試合にて登用を決めるはずである。」
「腕が、鳴りまする。」
「お前を打ち負かすほどの者が居ると良いがのう・・・
父上からも、早く強い剣士を見つけだして、
いい加減で 嫁に出すようにしてくれと切に懇願された。
旨く行くと、よいがのう。」
ふと足を止めて、良之助が振り返ります。
「近藤と言う男は、
なかなかにしたたかであるぞ。
醜女は貞淑ゆえ、貞淑な女性を妻にしたい、というのが持論だそうだ。
妻のつねはあまり器量が良くないそうである。
よかったのう、妻子もちとはいえ、
近藤だけは、蚊帳の外だ。」
「おなごを外見で判断するとは、
蔑視もはなはだしい。
人望のある御方とは思えませぬ!」
「まあまあ、そうむくれるでない。
たしかに蔑視の傾向もあろうが、
なかなかに、思慮分別家でもあるそうだ。
実は、幼少期にこんな逸話がある。」
それは近藤が、15歳頃のはなしです
作品名:舞うが如く 第2章 4~6 作家名:落合順平