クリスマスイブの物語
ムーンライト・クリスマス
次の年はちょうど満月に当たるので、月を見る会にした。
2年目となると、いくらか余裕が出来て、ワタクシは友人と外を歩きながらの月見となった。
その年は暖かくて、なんと素足にビーチサンダル(アホ)で外に出たのだった。
かと思うと、東北の方は雪が降って月も星も見えない中、雲の向こうに月も星のあるのだと空をみてくれた。
ミサの帰りに夜道を歩きながらという人もいた。
年を追うごとに参加する仲間も増え、リアルの友だちも誘ってのイブのパーティとなった。
そしてそのたびに毎回、いろいろなドラマがある。
家族の急病で、病院へ向かうタクシーの中で空を眺めた人もいるし、難病に罹った子どものために祈った人もいる。
夫婦げんかをしていて、ベランダに出たら星がきれいだったので、だんなを問答無用でベランダに引っ張り出して、仲直りした人も。
病気で休んでいた同僚のことを祈ったら、次の日にその本人から電話が来た、なんていう奇跡のようなこともあったり。
作品名:クリスマスイブの物語 作家名:せき あゆみ