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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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男って情けない

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舞台俳優が親の死に目に逢えずに、舞台をやり通したなどと美談のように報じられる。
私は仕事をしながらそのことと、いまの自分を重ね合わせた。
男は仕事さえしていればいい
そんなものだろうか
もちろん責任と言うものはある。
最愛の人とどちらが大切なものかと問われた時、果たしてそれは美談なのか。
金銭との天秤ではないのかと感じた。
納期に間に合わせなければ大きな損害になる。
男とは悲しいものだと感じた。
生活のためだから・・・
十分にその金もあるはずなのに
長男を羨ましく感じた。
私には何人かの従業員が居た。
その生活も守らなくてはならない。
しかしこんな事は少しも男らしくも美談でも無い。
何を捨てても最愛の人の傍に居る事が美談のはずだ。
私は仕事の都合をつけて1時間早く病室に戻った。
まだ妻は戻ってはいなかった。
ただ帰りを待とう。
作品名:男って情けない 作家名:吉葉ひろし