アイラブ桐生 第三章
(9)第三章 輪島から兼六園へ(その1)
レイコが、助手席から、
「煙草が、ある?。」と左手を伸ばしてきました。
「吸えるんだ。」
「うん、たまにね・・吹かすだけだけど。」
ふう~っと長く煙を吐いてから
「いい車だね、良く走る。」
ありがとう、とだけ答えました
この車だけは、自慢ができます。
アフリカで毎年行われている、サファリ・ラりーを
見事に疾走するその勇姿に一目ぼれをして、無理した買いこんだ愛車でした。
ブルーバードのSSS(スリーエス)は、
かけだしの板前などが乗るのには、あまりにも贅沢すぎる車でした。
ただし私には、暴走族的な趣味などは一切ありません。
普段はほとんど乗らず、たまの遠出とドライブを楽しむ程度でした。
しかしこの時代になると、
高性能を誇る国産車がつぎつぎと各メーカーから発表されて、
多くの若者たちの間で、スピードを競い合う
少し危険な風潮などもたかまってきました。
「サファリを走った心臓だぜ。」
「そうなの?
それじゃあ、あんたの心臓も、
そのくらい強いと、
わたしも安心できるんだけどなぁ。
何の話か、聴きたい?」
「?」
「M子が、春になったら結婚するという話だけど、
誰かから、聞いた?。」
レイコが、助手席から、
「煙草が、ある?。」と左手を伸ばしてきました。
「吸えるんだ。」
「うん、たまにね・・吹かすだけだけど。」
ふう~っと長く煙を吐いてから
「いい車だね、良く走る。」
ありがとう、とだけ答えました
この車だけは、自慢ができます。
アフリカで毎年行われている、サファリ・ラりーを
見事に疾走するその勇姿に一目ぼれをして、無理した買いこんだ愛車でした。
ブルーバードのSSS(スリーエス)は、
かけだしの板前などが乗るのには、あまりにも贅沢すぎる車でした。
ただし私には、暴走族的な趣味などは一切ありません。
普段はほとんど乗らず、たまの遠出とドライブを楽しむ程度でした。
しかしこの時代になると、
高性能を誇る国産車がつぎつぎと各メーカーから発表されて、
多くの若者たちの間で、スピードを競い合う
少し危険な風潮などもたかまってきました。
「サファリを走った心臓だぜ。」
「そうなの?
それじゃあ、あんたの心臓も、
そのくらい強いと、
わたしも安心できるんだけどなぁ。
何の話か、聴きたい?」
「?」
「M子が、春になったら結婚するという話だけど、
誰かから、聞いた?。」
作品名:アイラブ桐生 第三章 作家名:落合順平