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ドビュッシーの恋人 no.4

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その帰り道、店を出てクリスティーヌをノートルダム大聖堂まで送る途中、ミランはずっと気になっていたことを口にしてみた。

「多分、なんだけど」
「なに?」
「クリスティーヌに似た女性の絵を、僕は見たことがあると思うんだ」

隣を歩くクリスティーヌが、不思議そうな顔でミランを見つめる。
夜空に輝く満月の光が彼女の薔薇色の頬を濡らしていた。壮麗なパリの建築物が視界の中で神秘的に浮かび上がる。右前方には、オレンジ色にライトアップされたノートルダムの姿が見えてきた。

「パリの美術館のどこかにあると思うんだけど、思い出せなくて。クリスティーヌは知ってる?」
「……いいえ、残念だけど」

何気なく話したつもりだったが、クリスティーヌはどこか寂しそうに微笑んでいる。
それからノートルダム大聖堂の薔薇窓を見上げて、しばらく沈黙したあと、
「今度二人で探しに行きましょう」
と、言ってくれた。

ルーヴル、オルセー、ケ・ブランリー。他にも数多と存在するパリの美術館。
一体どこにその絵はあったのだろう……と、ミランは記憶の糸を手繰らせる。
だが、そのときはまだ知らなかった。
彼女に似た絵は、ミランに見つけられるはずがないことを。



[to be continued...]