初体験「思い出の夏」 第二話
阪神電車が梅田駅に着いた。改札を出たところに一樹は待っていた。
「よう!」麻衣は駆け寄って、
「一樹!」と叫んだ。
一度顔を見て知っていたから佳恵は頭を下げて挨拶をした。
「今日はよろしくお願いします」
「こちらこそ・・・平野さんだったよね?彼は?」
「はい佳恵です。国鉄の改札前だと思います」
「じゃあ行こう」
一人で待っていた雄介は近づいてくる3人がすぐに解った。
「お待たせしました。こちらがクラスメートの水野麻衣さん、となりは彼の中谷一樹さん」
「初めまして・・・井上雄介といいます。これからよろしくお願いします」
「雄介君は丁寧だね・・・堅い挨拶は終わりにして、仲良くわいわいとやろうぜ」
「はい、そうさせてください」
初対面だったが一樹は思っていた印象とは違い気さくで優しそうな感じに見えた。雄介は安心した。
4人掛けの席に座り目的地の和田高浜駅まであっという間に感じられた。夏休みの海水浴場はとても混雑していた。
隣接するキャンプ場の受付に行きテントを借りて4人はまず組み立てた。なかなかうまく行かなく苦労したが何とか出来上がった。
シーツを敷いた中は4人が十分に寝られる広さであった。荷物を中に入れて女性と男性が交代で水着に着替えて砂浜に行った。
遠浅の海水浴場には岸から100メートルぐらい沖に飛び込み台があってそこまで泳げば立って歩けるほどの深さに変わっていた。
「雄介君、あそこまで泳げるか?」
「ええ、ボクはこう見えても泳げますよ」
「そうか・・・じゃあ一緒に行こう。麻衣は泳げないから待ってな。平野さんは泳げるの?」
「私も麻衣と待ってる」
「そう、じゃあ行こうか雄介君」
「はい」
飛び込んだ一樹は豪快にクロールで泳ぎ始めた。雄介は負けまいと真剣に泳いでいた。先に飛び込み台に着いたのは以外にも雄介だった。
「雄介君、やるね・・・驚いたよ」
「得意なんで・・・」
「人は見かけによらないな」
「なよっとしてますか?ボクって」
「そんな風に見えたから・・・すまない」
「べつに、いいんです。色白で貧相な体付きですからいつもそういわれます。一樹さんのような男性に憧れるんです」
「褒めてくれてありがとう。体付きは親から与えられたものだからどうしようもないよな?気にするなよ、実際に俺より早く泳げるんだから、すごいよ雄介君は」
「そうですね・・・一樹さんはラグビーどこのポジションなんですか?」
「ラインバックだよ」
「かっこいいですね。いつもトライしてるんですか?」
「まさか!あっという間に潰されちゃうよ」
「ボク一年のときにクラス別のラグビーの試合で50メートル独走したんですよ。インターセプトして」
「それはすごいな。学校でラグビーの試合なんかやるんだね?」
「毎年体育の授業で学年別でやりますよ。一番盛り上がります」
「へえ~どこの高校だった?」
「淀川です」
「なるほど・・・そうか。全国大会にも出た事がある高校だね」
「はい、昔ですが」
「伝統になっているんだろうねラグビーをする事が」
「だと思います。三学年毎年冬の体育はラグビーですから」
「それもすごいね・・・やりすぎじゃないの?」
「そう言ってやってください、お願いしますよ」
「俺が・・・か?言えるわけ無いだろう」
「冗談ですよ。一樹さんはどこの高校ですか?」
「俺か・・・関西学園だよ」
「ラグビーで有名じゃないですか!」
「まあな。俺は引退したけど今の二年生は強いから秋の大会は期待できるよ」
「楽しみですね」
「うん、ラグビーの話が出来るなんて思わなかったなあ雄介君と」
「そうですね、なんか嬉しいです。キャンプが終わっても友達でいてください」
「ああ、そうだな。そうしよう」
浜辺で見ていた佳恵と麻衣は二人が並んで楽しそうに会話している光景が気になっていた。
「ねえ佳恵、あの二人仲良く話しているけど・・・何話しているんだろうね?」
「気になるの?麻衣は」
「そうじゃないけど、一樹さんってあんまり人と話さない人だから不思議に見ているの」
「そうなんだ。雄介さんと逆ね。気が合う話題があったのかしら」
「気が合う話題?」
「何かは解らないけど、そんな気がする」
「ひょっとして・・・私たち女性のこと?ってわけないか」
「それは絶対に雄介さんからは無いと思うわ。一樹さんの事は知らないけど・・・」
「あの人もそういう事は自分から話さないから、違うね。だったらなんだろう。まあいいけどね」
「麻衣は金づちだったんだよね?浮き輪借りてこようか?」
「ボートがいいなあ・・・でも混雑しているから迷惑になりそう」
「そうね、ちょっと無理でしょうね。寝そべって日焼けでもする?」
「私は真っ赤になって嫌だから日には焼かない。Tシャツは脱げないよ。佳恵が焼くならサンオイル塗ってあげようか?」
「うん、どうしようかな・・・塗ってもらおうかしら」
「いいよ、じゃあうつぶせになって」
麻衣はサンオイルを手にとって佳恵の背中に塗った。自分でも腕とか足に塗って全身オイルまみれになっていた。
「ブラの紐取ろうか?」
「いや!恥ずかしい事言わないで!出来るわけ無いでしょ」
「そう・・・見てご覧よ、結構居るよビキニの上を脱いでいる人」
麻衣にそう言われて佳恵は周りを見渡した。確かに数人の女性がそうしていた。自分のような高校生らしい女の子は誰もしてなかった。
「大人の人がしているだけだよ。みんなじゃないし・・・」
「紐の後がつくよ、いいの?」
「誰にも見せるわけじゃないから構わないの」
「雄介さんにも見せないの?」
「どうして見るの?」
「夜だからいいのか、暗いし・・・ハハハ」
「何が、ハハハなの!そんな事しないし・・・」
「絶対にするよ!我慢出来なくなるから、あなたの方が」
「うそ!信じられない、そんなこと・・・ありえない」
佳恵は自分が麻衣と同じように簡単に許すと思われていることが嫌だった。真剣に交際して結婚とかの約束が出来るようになったら構わないと思えた。そうじゃないとだらしない女に思われるからだ。
雄介と一樹が戻ってきた。
「おかえり!ねえ何話していたの?仲良くずっと・・・」麻衣が一樹に尋ねた。
「ああ、そう見えたか。雄介くんとラグビーの話ししてたんだ」
「ラグビーの?雄介さん部活でやってるの?」
「麻衣さん、俺は学校が力を入れているスポーツだから体育の時間に結構やらされているんだよ。だから部活やって無くても知ってるよ」
「そうなの、へえ~淀川高校ってそうなんだ」
「麻衣知らないの無理ないけど、昔は大会で優勝したこともあったんだよ」
「一樹の学校もそうだよね?」
「最近はな・・・私学だから力入れているんだよ。ラグビーやりたい奴は優先入学出来るって聞くぜ」
「そんな事ありなの?えこひいきじゃないの!」
「それが私学なんだよ。お前らの学校だって金持ち優先じゃないのか?」
「確かに、協賛金って言うの、入学金とは別のお金たくさん払うって言う子は入学出来るって聞くけどね・・・そうだよね佳恵?」
「そうらしいね、私は親が金持ちじゃないけど頭悪かったからここしか入れなかった」
「何それ?じゃあ私もバカって言うことになるじゃん!・・・当たってるけどね、ハハハ・・・」
「よう!」麻衣は駆け寄って、
「一樹!」と叫んだ。
一度顔を見て知っていたから佳恵は頭を下げて挨拶をした。
「今日はよろしくお願いします」
「こちらこそ・・・平野さんだったよね?彼は?」
「はい佳恵です。国鉄の改札前だと思います」
「じゃあ行こう」
一人で待っていた雄介は近づいてくる3人がすぐに解った。
「お待たせしました。こちらがクラスメートの水野麻衣さん、となりは彼の中谷一樹さん」
「初めまして・・・井上雄介といいます。これからよろしくお願いします」
「雄介君は丁寧だね・・・堅い挨拶は終わりにして、仲良くわいわいとやろうぜ」
「はい、そうさせてください」
初対面だったが一樹は思っていた印象とは違い気さくで優しそうな感じに見えた。雄介は安心した。
4人掛けの席に座り目的地の和田高浜駅まであっという間に感じられた。夏休みの海水浴場はとても混雑していた。
隣接するキャンプ場の受付に行きテントを借りて4人はまず組み立てた。なかなかうまく行かなく苦労したが何とか出来上がった。
シーツを敷いた中は4人が十分に寝られる広さであった。荷物を中に入れて女性と男性が交代で水着に着替えて砂浜に行った。
遠浅の海水浴場には岸から100メートルぐらい沖に飛び込み台があってそこまで泳げば立って歩けるほどの深さに変わっていた。
「雄介君、あそこまで泳げるか?」
「ええ、ボクはこう見えても泳げますよ」
「そうか・・・じゃあ一緒に行こう。麻衣は泳げないから待ってな。平野さんは泳げるの?」
「私も麻衣と待ってる」
「そう、じゃあ行こうか雄介君」
「はい」
飛び込んだ一樹は豪快にクロールで泳ぎ始めた。雄介は負けまいと真剣に泳いでいた。先に飛び込み台に着いたのは以外にも雄介だった。
「雄介君、やるね・・・驚いたよ」
「得意なんで・・・」
「人は見かけによらないな」
「なよっとしてますか?ボクって」
「そんな風に見えたから・・・すまない」
「べつに、いいんです。色白で貧相な体付きですからいつもそういわれます。一樹さんのような男性に憧れるんです」
「褒めてくれてありがとう。体付きは親から与えられたものだからどうしようもないよな?気にするなよ、実際に俺より早く泳げるんだから、すごいよ雄介君は」
「そうですね・・・一樹さんはラグビーどこのポジションなんですか?」
「ラインバックだよ」
「かっこいいですね。いつもトライしてるんですか?」
「まさか!あっという間に潰されちゃうよ」
「ボク一年のときにクラス別のラグビーの試合で50メートル独走したんですよ。インターセプトして」
「それはすごいな。学校でラグビーの試合なんかやるんだね?」
「毎年体育の授業で学年別でやりますよ。一番盛り上がります」
「へえ~どこの高校だった?」
「淀川です」
「なるほど・・・そうか。全国大会にも出た事がある高校だね」
「はい、昔ですが」
「伝統になっているんだろうねラグビーをする事が」
「だと思います。三学年毎年冬の体育はラグビーですから」
「それもすごいね・・・やりすぎじゃないの?」
「そう言ってやってください、お願いしますよ」
「俺が・・・か?言えるわけ無いだろう」
「冗談ですよ。一樹さんはどこの高校ですか?」
「俺か・・・関西学園だよ」
「ラグビーで有名じゃないですか!」
「まあな。俺は引退したけど今の二年生は強いから秋の大会は期待できるよ」
「楽しみですね」
「うん、ラグビーの話が出来るなんて思わなかったなあ雄介君と」
「そうですね、なんか嬉しいです。キャンプが終わっても友達でいてください」
「ああ、そうだな。そうしよう」
浜辺で見ていた佳恵と麻衣は二人が並んで楽しそうに会話している光景が気になっていた。
「ねえ佳恵、あの二人仲良く話しているけど・・・何話しているんだろうね?」
「気になるの?麻衣は」
「そうじゃないけど、一樹さんってあんまり人と話さない人だから不思議に見ているの」
「そうなんだ。雄介さんと逆ね。気が合う話題があったのかしら」
「気が合う話題?」
「何かは解らないけど、そんな気がする」
「ひょっとして・・・私たち女性のこと?ってわけないか」
「それは絶対に雄介さんからは無いと思うわ。一樹さんの事は知らないけど・・・」
「あの人もそういう事は自分から話さないから、違うね。だったらなんだろう。まあいいけどね」
「麻衣は金づちだったんだよね?浮き輪借りてこようか?」
「ボートがいいなあ・・・でも混雑しているから迷惑になりそう」
「そうね、ちょっと無理でしょうね。寝そべって日焼けでもする?」
「私は真っ赤になって嫌だから日には焼かない。Tシャツは脱げないよ。佳恵が焼くならサンオイル塗ってあげようか?」
「うん、どうしようかな・・・塗ってもらおうかしら」
「いいよ、じゃあうつぶせになって」
麻衣はサンオイルを手にとって佳恵の背中に塗った。自分でも腕とか足に塗って全身オイルまみれになっていた。
「ブラの紐取ろうか?」
「いや!恥ずかしい事言わないで!出来るわけ無いでしょ」
「そう・・・見てご覧よ、結構居るよビキニの上を脱いでいる人」
麻衣にそう言われて佳恵は周りを見渡した。確かに数人の女性がそうしていた。自分のような高校生らしい女の子は誰もしてなかった。
「大人の人がしているだけだよ。みんなじゃないし・・・」
「紐の後がつくよ、いいの?」
「誰にも見せるわけじゃないから構わないの」
「雄介さんにも見せないの?」
「どうして見るの?」
「夜だからいいのか、暗いし・・・ハハハ」
「何が、ハハハなの!そんな事しないし・・・」
「絶対にするよ!我慢出来なくなるから、あなたの方が」
「うそ!信じられない、そんなこと・・・ありえない」
佳恵は自分が麻衣と同じように簡単に許すと思われていることが嫌だった。真剣に交際して結婚とかの約束が出来るようになったら構わないと思えた。そうじゃないとだらしない女に思われるからだ。
雄介と一樹が戻ってきた。
「おかえり!ねえ何話していたの?仲良くずっと・・・」麻衣が一樹に尋ねた。
「ああ、そう見えたか。雄介くんとラグビーの話ししてたんだ」
「ラグビーの?雄介さん部活でやってるの?」
「麻衣さん、俺は学校が力を入れているスポーツだから体育の時間に結構やらされているんだよ。だから部活やって無くても知ってるよ」
「そうなの、へえ~淀川高校ってそうなんだ」
「麻衣知らないの無理ないけど、昔は大会で優勝したこともあったんだよ」
「一樹の学校もそうだよね?」
「最近はな・・・私学だから力入れているんだよ。ラグビーやりたい奴は優先入学出来るって聞くぜ」
「そんな事ありなの?えこひいきじゃないの!」
「それが私学なんだよ。お前らの学校だって金持ち優先じゃないのか?」
「確かに、協賛金って言うの、入学金とは別のお金たくさん払うって言う子は入学出来るって聞くけどね・・・そうだよね佳恵?」
「そうらしいね、私は親が金持ちじゃないけど頭悪かったからここしか入れなかった」
「何それ?じゃあ私もバカって言うことになるじゃん!・・・当たってるけどね、ハハハ・・・」
作品名:初体験「思い出の夏」 第二話 作家名:てっしゅう