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てっしゅう
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「哀の川」 第十二章 好子との別れ

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「だって、さっき言ったじゃない。大人として好きになっちゃいけないって・・・」
「それはそうだけど・・・ずっとおねえちゃんではいけないの?」

純一はしばらく黙ってしまった。顔を覗き込んで、どうしたの?と杏子は頭を撫でた。

「本当のお姉ちゃんじゃないもの!僕が大きくなったら、きっと好きになっちゃう・・・そうしたらもうおねえちゃんじゃなくなるんでしょ?」
「純一・・・嬉しいことを言ってくれるのね。純一に可愛い彼女が出来るまで、わたしが彼女でいてあげるから、こうして時々デートしようか?」
「うん!ほんと!彼女か・・・ちょっと年上だね、ハハハ・・・」
「あっ!バカにしたな!こいつめ・・・」頭をコツンと叩いた。イテ!と首をすくめて、二人は大笑いをした。

好子のことで憂鬱だった杏子の気持ちが少し明るくなった。功一郎が自分に好意を寄せ始めていることは気付いていた。しかし、麻子や天国に居る好子の気持ちを考えると、愛し合うことは無理だと感じている。杏子はしばらくは一人で居ることにした。デートがしたければ、純一が居るし、彼女宣言もしたから、浮気はしちゃいけないと、笑いながら納得させていた。