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はじめのちょこっと

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何がどう悪かったなんて 後からひとりで反省会すればいいさと思ったがせっかくのデートを嫌な想い出にはしたくはない。

僕は、聞いた。
「貴女が望むものは何ですか? 欲しいものとか」
「プレゼントしてくださるの?」
「え・・・ええ」
彼女は、曇った顔を笑顔に変えて答えた。
「じゃあ、おねだりしていい?」
「どうぞ」
彼女は、僕に店を指差して誘った。数十メートル先のその店の自動ドアが開いた。
「いらっしゃいませ」
彼女は、売り場の棚から品物を取ると、僕に渡した。
僕は、レジカウンタの女性の前に置くと「このままで宜しいですか?」と聞かれたので
「あの、プレゼントで」と伝えた。
店員に 凄く変な顔をされたが、「これでいいですか」と目の前に置いた。
「はい」
~For You~と書かれたシールとピンク色のリボンを貼ってくれた。
僕は、震える手で財布を取り出し、代金を支払った。
「ありがとうございました」
僕は 彼女と店を出て、先ほどの散歩道の横の公園へと戻り、ポケットからハンカチを出し、ベンチに広げた。
「せめて、これくらいのカッコはつけさせてください」
「ありがとうございます。じゃあ」
(僕のハンカチに座ってくれた)
「じゃあ。はいこれ。えっと。えっと。好きです」(もう最後だ。一応気持ちは伝えておこう)
彼女にプレゼントを渡すと彼女は両手で受け取ってくれた。
「嬉しいです。はい。」
パキッ。
その手が差し出したものを受け取った。
「まずは、チョコレートから始めましょう」
コンビニエンスストアで買った、消費税込み105円。
甘いミルクチョコレート。
僕の。
僕達の恋のはじまり。

『あ、まだよ』  ん? 誰が言った?

僕達の出会いから~5センチくらいかな。

   
    ― 完 ―
作品名:はじめのちょこっと 作家名:甜茶