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はじめのちょこっと

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先日、途中採用で入社してきた彼女は、僕よりも5歳下の可愛い子だ。
いきなり、可愛いなんて言ってしまって、自分でも恥ずかしいが、仕方ないくらい一目惚れだ。彼女のことを気に入る輩が取り巻かないうちに何とか話を、いやそんな悠長なことは、考えていられない。一刻も早く彼女をデートに誘い、お付き合いを始め、恋人という仲になり、将来を誓える間柄になりたい。うん!なるんだ。
僕自身、自分では旬を迎えていると思っている。
仕事もひと通り覚え、小さなお得意様だが、3件任されるようになった。
ボーナス査定だって、社内で悪いほうではない。
ただ基本給が まだ覚束ない分、支給はぼちぼちといったところ・・・。
まあ、こんなもんだ。

だがどうやって、彼女の気持ちを知るか?
まずは、僕に関心を持ってもらわないと始まらないだろうが、はて誘い文句はどうしたものか。
『好きな人はいますか?』(そりゃ、ひとりぐらいいるだろうな)
『お付き合いしている人はいますか?』(いきなり 切り出す台詞じゃないか)
『僕のことどう思いますか?』(返事によっては 浮いてこれなくなるよな)
『お茶しませんか?』(大人同士だ。飲みにいくほうがいいかな。いや初めは やめておこう)
『帰り、送りましょうか?』(送り狼ってキャラじゃないし)
まあ、これはまだ早いか・・・。
そうだ。女の人にはプレゼントが効果的だろう。・・・本当かな?
『花、どうぞ』(理由がいるか)
『誕生日にこれを』(「わ、いつ知ったの?きもぉーい」なんて言われたら最悪だ)
『貴女に似合うと思って』(僕のセンスの悪さがバレるかな)
『クリスマスには早いけど』(言うタイミングが難しそうだ)
あー、やっぱりこの作戦も駄目だ。
もっと、ストレートに言えばいいのか?
『貴女が好きです』
『お付き合いしてください』
『いつも一緒に居たいんです』
『今度、デートしましょう』
『僕のうちに来てください』
最後のは、止めておこう。ここを見せたら一発撃沈は間違いない。
今度の休みに何とかしよう。

作品名:はじめのちょこっと 作家名:甜茶