こうして年が暮れていく。
やっぱり無理か…と、諦めかけたとき、アヤが覚悟したように一つ息を吐いた。
「じゃ、甘酒ね」
「は?」
「甘酒おごってくれるなら神社行く」
「ああもう。わかったよ!」
「やった。甘酒ー!」
退屈そうに伏せていたアヤの目が一転。獲物のうさぎを見つけた狼のようにキラリと輝いた。
[ こ う し て 年 が 暮 れ て い く 。 ]
(2011年まであと少し。)
(神様、どうか来年こそはアヤが俺の気持ちに気づいてくれますよーに…。)
作品名:こうして年が暮れていく。 作家名:YOZAKURA NAO