少女機械人形コーパス 第二幕
東堂
「まだだ!」
東堂がさらに刀を振り下ろそうとした時、ヴィロネカートは微笑んだ。
<<ひどいよ、英一。>>
東堂
「っ!」
それは有宮ひかりの声だった。
東堂
「な…に…。」
<<皆ちゃんと純ちゃんの為に、私を犠牲にしたんですね>>
それは尾ヶ崎久美子の声だった。
東堂
「う…嘘だ…ろ…そん…な…!」
皆・純
<<お兄ちゃん…?>>
東堂
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
錯乱した東堂の声が作戦本部に響き渡る。
土方
『これは…一体?!』
野柳
『すごい…!すごいぞこれは!』
池峰
『先の戦いで知性を吸収したやつはヒトの言葉を操れるようになった。』
野柳
『記憶能力は既に手にいれていたからね。そして人の声も。』
土方
『!…容易な事象だと?』
池峰
『そうなるな。』
土方
『っ!東堂君!落ち着いて!』
東堂
「あああああああああああああああああああ!!」
<<ひどい ひどい ひどい ひどい ひどい>>
何度も繰り返される友人達の懐かしいその声。
大好きだったその声が彼の精神を抉り取る。
東堂
「ああああああああああああああああああ!!」
作品名:少女機械人形コーパス 第二幕 作家名:有馬音文