少女機械人形コーパス 第二幕
一瞬、東堂の脳裏に寂しげに微笑む尾ヶ崎の姿が広がった。
尾ヶ崎
<でも私は大丈夫。怖くなんてありません。たとえ腕が無くなろうと足がなくなろうと…私はっ。>
尾ヶ崎
<私は自分で考えて生きていけたらそれでいい…!一緒に考えて苦悩して…。そうして今度は一緒にみんなを救いましょう…!>
東堂
「尾ヶ崎…!」
尾ヶ崎
<いきます…。>
東堂
「待て!きっと反動でヴィロネカートは何かしらの大きな攻撃をしてくる!本当に何かを失うかもしれないんだぞ!」
東堂は叫んだがデーケルターレは既に小さく光を放ち始めていた。
<<キィャァアアア>>
その光に怯えるかのようにヴィロネカートは叫び、東堂の攻撃によって裂かれたその肉体を動けないデーケルターレの頭部に押し付けはじめる。
東堂
「ぐっぅ!」
次第に大きくなっていく光の中、己の肉体の裂け目からデーケルターレの頭部を飲み込んでいくヴィロネカート。
東堂
「あ…あぁぁっぁああああぁあ!」
尾ヶ崎
<ああああああああああああああああああああああ!!>
強い痛みと衝撃が二人の体を貫いた。
尾ヶ崎
<いや…いやああああああ!!怖い怖い怖い!!ああああああああああああああああ!!>
尾ヶ崎の恐怖に引き攣った声が響き渡った瞬間、デーケルターレの閃光は一層の光を増し、先も見えない真っ白な世界の中でヴィロネカートははじけとんだ。
作品名:少女機械人形コーパス 第二幕 作家名:有馬音文