少女機械人形コーパス 第二幕
3月5日 午前1時18分
コーパス 廊下
カツカツカツ<SE足音>
尾ヶ崎
(墓地に行ってみよう。この時間なら、誰もいないと思うし。)
尾ヶ崎
(左文字参謀長…私に力を貸して下さい…!)
同日 午前2時6分
コーパス 墓地
尾ヶ崎
(茅野博士のお墓は…RB317地区だから…この辺りのはずなんだけど…。)
尾ヶ崎
(茅野…茅野…)<足跡なりっぱ>
尾ヶ崎
(…茅野、修…あった!)<足音停止>
尾ヶ崎
「すみません、博士。」
尾ヶ崎
(さっき作ってきたIDカード。これを墓標のスロットに差し込めば…)
尾ヶ崎
(こんな事…許されないわ…でも…。ああ、神様!)
ピピピッ
ガクンッ
静かな音を立てて墓石が動き始める。
尾ヶ崎
「…開いた……!」
尾ヶ崎
(本当に…開いてしまった…)
尾ヶ崎
(でも…)
尾ヶ崎
「すみません、茅野博士。私は知りたいのです。…失礼します。」
<SEガサゴソと漁る音。>
<カツンッ!>(固いものにふれる音)
尾ヶ崎の指先に固いものが触れた。
尾ヶ崎
「?!」
尾ヶ崎
「これは…。」
尾ヶ崎
「何かの…アンプル…」
尾ヶ崎
「!…これが、茅野博士の遺産なの…?」
尾ヶ崎
(とにかく、ここから立ち去らなくちゃ…。)
ピピピッ
尾ヶ崎
(このIDカードは処分しよう。そして…)
尾ヶ崎
(このアンプルの中身を調べなくては…。)
作品名:少女機械人形コーパス 第二幕 作家名:有馬音文